【更新】シニア層の食事、気にしているのは「バランス」、自炊メインでスーパーや外食も

2012/06/18 06:45

このエントリーをはてなブックマークに追加
シニアの食事矢野経済研究所は2012年6月14日、60歳以上のシニア層における「食」に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、日頃の食事でもっとも気に使っているのは「野菜や果物の摂取」であることが分かった。次いで「バランスの取れた食事」「魚の摂取」が続いている。一方、昼食と夕食についてどのような食事形態を取っているかを聞いたところ、昼食・朝食共に「家族が調理」が多く過半数を超えていた。「自分が調理」がそれに続くが、その次には昼食が「外食」、夕食は「スーパーの惣菜」が続いており、出来合いの食材の利用がシニア層にも浸透しているようすがうかがえる([発表リリース])。



スポンサードリンク


今調査は2012年4月から5月にかけて自宅に居住する60歳以上の男女に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は男性924人・女性235人の計1159人。今調査の詳細データは5月28日に同研究所から発売された資料「2012年版 シニアの食事実態と食ニーズ探索調査」に掲載されている。

今調査母体に対し、日頃の食事への気遣いを聞いた結果が次のグラフ。トップの「野菜や果物の摂取」をはじめ「魚の摂取」「食物繊維摂取」など、さまざまなカテゴリの食品を意図的にバランスよく摂ろうとしている様子が見えてくる。

↑ 日頃の食事への気遣いについて(複数回答、上位10位のみ)
↑ 日頃の食事への気遣いについて(複数回答、上位10位のみ)

そもそも第二位に「バランスのとれた食事」が入っているので「バランスを考えている」ことに違いは無いが、特定の品種の食品の摂取を意識的にしているところをみると、「普段はそれらを避けている、食する機会が少ない」のを認識していることの裏返しともいえる。

その前提の上で。昼食と夕食についてどのような食事形態・調達方法を取っているかを聞いたのが次のグラフ。

↑ 調理方法と食事形態(複数回答)
↑ 調理方法と食事形態(複数回答)

まず最初に目に留まるのは「家族」「自分」いずれにしても自炊・内食食費率が高い点。昼食は「自分」、夕食は「家族」がやや膨らむあたり、男性において「昼間は自分でも創るが、夕食は配偶者にお願いしよう」的なパターンがある程度浸透しているものと思われる。「昼食は自分で」の際に作るのが面倒になるためか、あるいは単に簡単に済ますためか、「コンビニの惣菜」「ファストフードの惣菜」が多少ながらも伸びている。

興味深いのは夕食の動き。「スーパーの惣菜」「百貨店の惣菜」(多分にデパートも含まれているのだろう)が大きく伸び、スーパーは2割、百貨店でも1割強に達している。先日大手食品系デパートの惣菜コーナーとシニア層による利用の一例として【西友の49円コロッケと揚げ物とシニア層と】の話をしたが、夕食に「コンビニ」や「ファストフード」ではなく、「スーパー」「百貨店」の惣菜を調達する傾向が強い結果が出たのは、注目に値する。いわゆる「中食」利用のシニアでも、昼食と夕食とでは利用店舗に違いが見られることになる。やはりレパートリーそのものだけでなく、シニア層向けの料理が豊富にあること、さらには「タイムセール」による値下げの活用ができるあたりもポイントかもしれない。

なおリリースでも指摘されているが、昼食・夕食共に配食サービスなどの利用はほとんどなされていない。今後サービスの多角化やサービスエリアの拡大、提供企業の増加と競争が本格的なものとなれば、この値も上乗せされる、かもしれない。


■関連記事:
【高齢者の食事調達は外食からコンビニへ、そしてコンビニから安売り店へ】
【一人身生活、食品は世代を超えてスーパーが頼り…世代毎の一人暮らしにおける食品・教養娯楽品の購入先】



スポンサードリンク



このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2024 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|X(旧Twitter)|FacebookPage|Mail|RSS