集客効果は最大6割? 特定のコンビニスイーツ購入のために「あえて」その店に足を運ぶ人達

2012/06/11 06:40

インターワイヤードが運営するネットリサーチのDIMSDRIVEは2012年5月16日、「コンビニスイーツ」に関する調査結果を発表した。それによると調査母体のうち年1回以上コンビニスイーツを購入する人において、特定のコンビニスイーツを購入するために、その特定店舗に「あえて」足を運ぶ経験がある人は6割強に達していることが分かった。「よく経験する」人に限っても16.0％に登っている。またコンビニで他の商品には手をつけず、コンビニスイーツのみを購入した経験がある人も6割強、よくある人も2割近くに達している。コンビニスイーツはそれなりに小さからぬ集客効果があるようだ(【発表リリース】)。




今調査は2012年3月23日から4月6日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は9163人。男女比は55.6対44.4、世代構成比は10代0.5％・20代6.3％・30代21.0％・40代32.0％・50代23.2％・60歳以上17.0％。なお今件における「コンビニスイーツ」(「(コンビニの)PBスイーツ」と表現することもあり)とはナショナルブランド(複数企業店舗で購入できる一般企業の商品)では無く、各コンビニがオリジナルで制作しているデザートやスイーツ商品、つまりプライベートブランド(PB)を意味する。これにはお団子をはじめとした和菓子、バウムクーヘンなどの焼き菓子も含まれる。

先に別記事で記したように、単純な利用コンビニ性向としてはセブンイレブンがトップ、一方で「一番好きなコンビニスイーツの販売店」としてはローソンを挙げる人がもっとも多いという結果が出ている。


↑ もっとも利用しているコンビニ(月1以上コンビニ利用者)(上位10位)(再録)

↑ もっとも気に入った・気に入っているコンビニスイーツはどこのコンビニの商品か(コンビニスイーツを年1以上で購入する人限定) (再録)
このようにコンビニスイーツは(種類・販売店舗にもよるが)客足をも変え得る力を持っていることが推測される。

それでは具体的に、目的のコンビニスイーツ購入のため、「あえて」特定のコンビニに足を運ぶ経験がある人はどれくらいいるのだろうか。例えば「普段は近くて便利なコンビニAを使っているが、コンビニBのロールケーキが好きなので、これを買う時にはコンビニBに通っている」という具合である。


↑ 目的のコンビニPBスイーツ購入のため、そのコンビニに「あえて」足を運ぶことはあるか(PBスイーツを年1以上で購入する人限定)
全体では16.0％が「よくある」、46.0％が「たまにある」。両者を合わせると62.0％が「経験がある」と答えている。若年層がやや高め、男女別では差異はあまりないように見えるが、「よくある」項目で多少ながらも女性の方が高い値を示している。男性以上に女性の来店動機へ、コンビニスイーツは小さからぬ影響を与えていることになる。

さらに来店する店名は問わず、コンビニで「コンビニスイーツ”のみ”」を購入した経験はあるか否かを聞いたのが次のグラフ。特殊事情でも無い限り、これはほぼそのまま「そのコンビニスイーツのためだけに来店した」をも意味する。


↑ コンビニでPBスイーツ「のみ」を購入することはあるか(PBスイーツを年1以上で購入する人限定)
グラフの形状は直上の「あえて足を運ぶ」とほぼ同じ。大体6割程度の人が経験を持ち、若年層・女性の方が値が高い。ただし「よくある」率はこちらの方が男女間の差異が大きく、女性は20-30代では1/4が「コンビニスイーツだけを買う事もよくある」と回答している。男性は何となく、無意識のレベルで気遅れしてしまうのだろう。

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今件データではシニア層の動きがやや鈍いが、これはコンビニスイーツ全体における和菓子をはじめとした、中堅層以降に受け入れられやすいタイプの商品展開がまだ小規模であることも一因と考えられる。昨今ではコンビニ大手各社とも、積極的に和菓子……オーソドックスなものから、斬新な切り口のものまで……の開発・販売を手掛けるようになっており、注目に値する動きと言える。

新しい客層の開拓という観点においても、今後の各社の新商品動向には注目したいところだ。


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