コミック誌、読んだらどうする? 6割前後は「貯めておいてまとめて捨てる」
2012/06/06 06:50
NTTレゾナントが運営するgooリサーチは2012年5月29日、「マンガ」に関するインターネット調査結果を発表した。それによると調査母体のうちコミック誌(マンガ雑誌、週刊誌)購入者においては、そのコミック誌を読む機会として「自宅でくつろいでいる時間」を挙げる人がもっとも多かった。男性で6割強、女性は9割近くが同意を示している。また読み終わったコミック誌への対処法としては男女とも「ある程度貯めておき、まとめて捨てる」との回答が最多回答で6割前後に達している(【発表リリース】)。
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今調査は2012年5月15日から17日にかけて、15歳から44歳までの男女に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1939人。男女比は39.1%対60.9%、世代構成比は10代16.8%・20代33.1%・30代33.3%・40代前半17.0%。
先に【男性は女性コミック誌は読まない、しかし女性は……】で示したように、今調査母体ではコミック誌を定期的に「購入」している人は約1/4だった。
↑ コミック誌(マンガ雑誌・週刊誌)の購読状況(再録)
その「コミック購入者」に、どのような状況でコミック誌を読むのかを聞いたのが次のグラフ(「非購入だが読む」人が省かれたのは、読む環境が限定される可能性があるため)。
↑ コミック誌(マンガ雑誌・週刊誌)を読むシーン(購入者限定)
男女とも「自宅でのくつろぎ時間」に読む人がもっとも多く、男性で63.8%、女性にいたっては87.2%の人が回答している。女性は男性と比べて出勤などによる「コミック誌を読めるような場が出来る」外出機会が少なく、その分自宅内での読む場面が多くなるものと思われる。
実際、「通勤・通学時」「昼休みなどの休憩時間」「外出先の空き時間」なども、男性の方がはるかに高い値を示している。そして「風呂の中」「寝る前」など自宅内の時間帯は女性の方が多い。
やや驚かされるのは「風呂の中」で、男性1.9%・女性7.8%が「コミック誌を読む」と答えていること。濡れないような工夫を凝らしているのか、それともあまり気にしていないのか。
男性は家の外と中、女性は主に家の中で読まれるコミック誌。それでは読み終えたコミック誌はいかなる運命をたどるのか。購入者に読み終えた後、どのような扱いを示すのかを聞いた結果が次のグラフ。
↑ 読み終わったコミック誌(マンガ雑誌・週刊誌)の扱い(購入者限定)
男女とももっとも多いスタイルは「すぐには捨てず、ある程度まとめておく。そして量がたまったら捨てる」というもの。新聞でも良くある処分方法で、あるいは新聞と一緒にしているのかもしれない。
一冊一冊読み終えるごとにすぐに捨てる人は男性16.9%、女性9.2%と少なめ。男性が多いのは、通勤過程で読み終え、駅構内や電車・バス内に捨てる事例が少なからずあるためと思われる。
男女でコミック誌を読む状況に違いがあるのも一因だが、男性は「すぐ捨てる」、女性は「(一部を)残す」傾向が強いのが分かる。特に「お気に入りの部分だけ切り抜きをして残す」は女性が16.6%にも達している。
特に男性に多い「読み終えたら捨てる」行動。その行動が多分に行われている通勤・通学過程では昨今、時間つぶしの対象として、コミック誌や新聞以上にモバイル端末が多用される傾向がある。便利、かさばらない以外に、「通勤・通学時間帯の暇つぶし用としては、(読み終えたらその場面で捨てるため)コストパフォーマンスが悪すぎるコミック誌と比べて安上がり」というのが大きな要因。コミック誌はコスパを良くするために持ち帰るほどのものでは無く、また大きさを考えると邪魔な場合が多い。
購入されたコミック誌がどのような場面で読まれ、いかなる末路をたどるのか。販売実績が低迷を続ける雑誌の提供側としては、考えねばならないことは少なくあるまい。
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