「店頭商品で気になること、スマートフォンで検索」は4割強
2012/06/01 12:10
博報堂は2012年5月24日、スマートフォンの保有・利用者に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、4割強の人が店頭で商品を眺めていて気になることがあった際に、自分のスマートフォンで検索したことがあることが分かった。しばしば検索している人も1割強に及ぶ。また、店頭で商品を見ながら「スマートフォン経由で」購入する人や、気になったことをSNS(ソーシャルメディア)に投稿する人も1割強ほど確認できる(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は2012年2月24日から27日にかけて、高校生から60代までの男女スマートフォン保有・利用者に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000人。男女比は49.5対50.5、世代構成比は10代3.4%・20代25.9%・30代33.7%・40代24.9%・50代9.4%・60代2.7%。
以前【スマホユーザーの3割強は「テレビを観ながらいつも操作している」】でも記したが、スマートフォン保有者から成る今調査母体では、4割強の人がスマートフォンを触りながら店頭の商品を見ている。
↑ スマートフォンを触りながらどのような情報源に接しているか(スマートフォン保有者対象)(再録)
それでは視点を変えて、店頭でどのようにスマートフォンを利用しているのかを尋ねたのが今回の項目。目の前にある商品などで、掲載されているものだけでは不足している情報を補完するため、検索をする人がもっとも多い。頻度で「時々」まで含めると5割近い人が、検索をしていると答えている。
↑ 店頭でスマートフォンをどのように利用しているか(スマートフォン保有者対象)
インターネット上で価格比較のサイトが盛況であることを考えれば、検索対象としてもっとも多いのが「もっと安く手に入らないだろうか」あたりだろう。あるいは類似商品、良い悪いを問わず噂が登っていないか、自分が求めていた用途に合致するのか否かなど、「気になる」が「欲しい」に移るまでの補完情報が、スマートフォン経由の検索で取得可能になる。
お店側としてはやや面白くないのが「”店頭で商品を見ながら”気になったものをスマートフォンで購入する」。趣味娯楽系商品などでよくあるパターンだが、「持ち帰りが面倒」「インターネット通販の方が安い」「ポイントが貯まる」「店頭では売り切れでサンプルしか無い」などが考えられる。店頭がネット通販における実物の「サンプル展示場」と化してしまっていることになる。
一方、海外でも【女性スマホユーザーの1/4は「商品の写真を撮る」…デジタル化する米消費者性向】にある通り、特に女性が強い傾向を示しているのが「気になることをソーシャルメディアに投稿する」。今の自分の想いを語り、気持ちを共有するといった使い方もされることが多いソーシャルメディア。店頭での新たな出会い、驚きなど感情の変化をそのまますぐに伝えたくなるのも理解はできる。
「店頭で商品への購入意欲が沸いているのに、店で買わずにネット通販で調達」というのは本末転倒だが、スマートフォン所有により店頭内でのお客の行動に変化が生じているのは事実。お店側としてはむしろこの傾向を、いかにお店内での消費に結びつけるかについて考えるべきだろう。
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