スマホとタブレット、双方ともパソコンと併用傾向強し・タブレットはスマートフォンとも
2012/05/27 12:00
電通は2012年5月21日、パソコン・スマートフォン・タブレット機の所有・利用状況に関する調査結果を発表した。それによると「調査母体においては」、スマートフォン利用者の9割が少なくともパソコンと併用していることが分かった。またタブレット機利用者も同様の傾向を示しており、スマートフォンもタブレットも、パソコン利用を前提とした利用形態が多いことがうかがえる(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は2012年3月23日から27日にかけてパソコンでのインターネット調査によって行われたもので、15-59歳の男女を対象にしている。予備調査では7069人に対して実施され、本調査ではそのうちスマートフォン所有者向け800人・タブレット機所有者向け400人に対して行われた。
今調査母体におけるパソコン所有率は91%。スマートフォンは29%と3割近い値を示している。
↑ 所有率比較(調査母体全体対象)(再録)
タブレット機は7%。パソコン経由のインターネット調査であることや、対象年齢層が15歳-50代ということを考えれば、ほぼ他の同様調査と変わらない結果といえる。
そこで、スマートフォン・タブレット保有者(予備調査段階)それぞれに、該当保有機種と併用している機種を尋ねた結果が次のグラフ。
↑ スマートフォンと併用しているものは(予備調査段階でのスマートフォン利用者)
↑ タブレット機と併用しているものは(予備調査段階でのタブレット機利用者)
元々パソコンを利用したインターネット経由での調査ということもあるが、回答世代層と世間一般のパソコン利用率(【パソコンの世帯主年齢階層別普及率(2012年分データ反映版)】によれば、該当世代では7割強-8割強)を考慮すれば、大局が動くほどの差異は起きないと考えてよい。
スマートフォンの場合、少なくともパソコンを併用している人は90%(=77+13)、タブレット機では92%(=41+51)となる。興味深いのはスマートフォン・タブレット機同士の関係で、「スマートフォンはパソコンとのみ併用」の事例が多数を占めるのに対し、「タブレットはパソコンだけでなくスマートフォンとも併用している」事例が多いこと。要は「スマートフォン利用者はタブレット機利用者である場合も『わずかにある』」「タブレット機利用者はスマートフォン利用者である場合が『多分にある』」ことになる。
これは以前【米モバイルニュース事情(端末種類編)】で示した、アメリカでのモバイル端末によるニュース取得環境の事例と同じような構造をしている。購入・調達のステップとしては「パソコン」「スマートフォン」「タブレット機」の順になる人が比較的多く、「パソコンすら使わずにタブレット機やスマートフォンだけ」は少数派で、「パソコンからスマートフォンを飛び越してタブレット機」という人も多くは無いということになる。
例えばアップル社のiOS搭載端末の事例にもある通り、スマートフォンはタブレット機の廉価版、タブレット機はスマートフォンの機能拡大版的な見方もできる。機動力・性能・使いやすさに応じて、スマートフォン・タブレット機を使い分ける、そして基軸端末としてパソコンを使うというスタイルが、特にタブレット機保有者には一番しっくりくるようだ。
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