米で28%は「金は長期投資に最適」

2012/05/15 06:50

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金アメリカの調査機関【ギャラップ社】は2012年4月27日、アメリカにおける長期投資性向に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、「金(きん、ゴールド)」を最良の長期投資対象と判断している人が28%に達し、最上位についていることが分かった。次いで「不動産」「株・投信」の順となっている。年収が高い人ほど「株・投信」や「不動産」への回答率は高く、一方で30歳未満では「普通預金など」が4割近くトップの位置にあるなど、属性によって大きな差異が生じている(【発表リリース】)。



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今調査は2012年4月9日から12日にかけて無作為抽出で選択されたアメリカ国内に住む18歳以上の1016人に対し、電話口頭インタビューにて行われている。使用言語は英語とスペイン語。回答結果は国勢調査の値に従いウェイトバックがかけられている。

選択肢を複数提示した上で、「長期投資にベストな選択はどれか」と尋ねたところ、トップについたのは「金(きん)」だった。全体の3割近く、28%の人が選んでいる。

↑ 長期投資に最もよく向いている対象は(米、2012年4月、ギャラップ社調査)
↑ 長期投資に最もよく向いている対象は(米、2012年4月、ギャラップ社調査)

次いで「不動産」「株・投信」「普通預金等」がほぼ同列に位置している。「普通預金等」が「不動産」「株・投信」と肩を並べるのは、やや意外な感がある。

これを属性別に見たのが次のグラフ。

↑ 長期投資に最もよく向いている対象は(米、2012年4月、ギャラップ社調査)(属性別、上位項目以外は「その他」)
↑ 長期投資に最もよく向いている対象は(米、2012年4月、ギャラップ社調査)(属性別、上位項目以外は「その他」)

男女別では男性が金に魅了されている一方、女性は普通預金に傾注する動きを見せている。女性の堅実さ、あるいは各種投資への戸惑いぶりがうかがえる。また、若年層は他属性と比べて「普通預金等」への回答率が大きく、こちらも女性と同じような状況が想像される(あるいは長期投資に回すだけの余剰資金が少なく、具体的な事例を想像できないのかもしれない)。

全般的には金銭的に余裕が増える属性になるほど、「普通預金等」の割合が減り、「不動産」「株・投信」が増える傾向にある。やや不安定な動きもあるが、「金」も似たような動きを示している。さまざまな金融商品を学んだり、運用資金が大きい人には、長期投資の対象として「金」は向いていないように見えるのかもしれない。

これを経年……とはいえギャラップ社の長期投資対象調査は、公開データの限りでは2002年から行われているが、選択肢に「金」が加わったのは2011年8月から(継続性を維持するため「金」が無い調査も、同時並行して実施されている)なので、直近も合わせて2回分しかないが、昨年8月からの動きをチェックしたのが次のグラフ。

↑ 長期投資に最もよく向いている対象は(米、2012年4月、ギャラップ社調査)(調査期間・株式保有者別途抽出)
↑ 長期投資に最もよく向いている対象は(米、2012年4月、ギャラップ社調査)(調査期間・株式保有者別途抽出)

「株式保有者」の方が「普通預金等」への回答率が低く、「株・投信」への回答率が高いのは、ある意味当然の話。一方で直近調査では「金」への回答率も調査母体全体と比べて低い値を示しており、長期投資対象としての魅力が薄れていると判断されている。また「不動産」への回答率もわずかながら上昇しているのが興味深い。

「不動産」の需給は米経済の動向にも大きく影響を与え得る。少しずつではあるが改善の動きを見せているのは、素直に喜ぶべきだろう。とはいえ過去の推移(「金」無しの調査)を見た限りでは、いわゆる「サブプライムローンショック」前の水準に戻るには、今しばらくの時間が必要に思われるのも事実である。


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