主要車種別の自動車登録台数(2010年度分対応版)
2012/05/10 12:10
当サイトには既存の記事に対する更新リクエストが届けられることがある。昨今のガソリン価格の動向に関連する形で、自動車回りの質問や更新のリクエストがじわじわと増えてきた。昨年頭に更新した、主要車種別の自動車登録台数をグラフ化した記事もその一つで、調べてみるとすでに今年3月末の時点で最新版・2010年度(2010年4月-2011年3月)分が公開されていた(【お知らせページ】)。そこで今回はこの記事で2010年度分を加え、各グラフを再構築することにした。
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取得するデータは国土交通省の【交通関係統計等資料】。ここから「自動車輸送統計調査」の年報を選び、各年の「統括表」から「付表(2) 総括表 自動車保有台数及び生産台数の推移」を選んで抽出していく。なお車種の区分だが、詳しくは【車種分類表】にある通り。当然自家用だけでなく営業用も含めた値である。
まずは単純に車種別の登録数を折れ線グラフ、そして年毎に積み上げグラフにしてみる。
↑ 主要車種別自動車登録台数(年度)
↑ 主要車種別自動車登録台数(年度)(積み上げグラフ)
乗用車は1990年代中盤まで右肩上がりだったもののその後横ばい、2005年度あたり以降は減少。一方で軽自動車は1980年度以降一貫して上昇を見せており、このままでいけばあと10-20年で両者の立場は逆転する可能性が高い。またトラックは漸減状態。そして登録車両数全体としては、2006年度をピークに減り始めている(バイクや特殊車両まで全部まとめて、の話)。
各車種の変移が分かりやすいように、前年度比を折れ線グラフ化してみる。計測開始初期の増加率が著しく、ややいびつな形となったので、対象期間を1980年度以降に限定したものも併記する。
↑ 主要車種別自動車登録台数(前年度比)
↑ 主要車種別自動車登録台数(前年度比)(1980年-)
1990年に小型二輪の特異な減少が確認されるが、これは馬力自主規制によるところが大きい。1996年の特殊車両の減少は、いわゆる第一次排ガス規制によるものだろうか。また、軽自動車や小型二輪は増加率そのものは減らしているものの台数は漸増を維持(前年比プラス圏をキープ)している一方、トラック・トレーラーは1990年代半ば、乗用車は1990年あたりにはすでに増加率が縮退しはじめ、2005年あたりからマイナスに転じていることが確認できる。
また2010年度は特殊用途車の「前年度比」の大きな上昇が目に留まる。特殊用途車には農業用車両以外にクレーン車・ブルドーザーなどの建機も含まれるため、震災の影響に伴う特別需要の動きかとも思われたが、月次データを参照する限り増加は2011年2月から生じているため、震災とは直接の影響は無い。2011年4月1日から施行された「大気汚染防止法」に伴う需要によるものと思われる(参考:【大気汚染防止法及び大気汚染防止法施行規則が改正されました。(福岡県)】)。
ともあれ、自動車の種類別比率は大きな変化を見せつつある。ライフスタイルの変化(外出機会が減る、遠出をしない)の他に、人口がほぼ横ばいなのに対して世帯数が増加し、一世帯当たりの平均人数が減ることで、「自家用車も小型で十分」というニーズの変化が、特に乗用車と軽自動車の間で見られる割合の変化をもたらしたと考えれば、十分納得もいくというものだ。
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