女性は半数近くがドラマ視聴、タイムシフトでの視聴は1割強…米プライムタイムでのテレビ視聴傾向
2012/05/04 06:45
アメリカの調査機関Nielsenは2012年4月27日、タブレット機やスマートフォンなどのモバイル端末の動向を記した「State of the Media」のダイジェスト記事を公開した。今回はそこから取得できた同社資料「ADVERTISING & AUDIENCES」から、アメリカにおけるプライムタイム(月-土:20時-23時、日:19時-23時)でのテレビ視聴性向について見て行くことにする(【Report: U.S. Media Trends by Demographic】)。
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次のグラフは「プライムタイムにおける」平均テレビ視聴時間。一般のテレビ番組視聴以外に、DVR(デジタルビデオレコーダー)での再生時間やテレビゲームでの使用時間も併記してある。
↑ プライムタイム(月-土:20時-23時、日:19時-23時)におけるテレビ視聴時間(分/日)(2012年)(Nielsen)※世代区分で重複している部分(25-54歳)があるが、原文のまま。明確な区分ではなく、青年層・若年層・広域な中堅層・高齢層という曖昧な区分での数字を出すため、前後の世代も多少含ませた結果と推定される
女性のテレビ好きは世界共通で、男性よりも6分ほど視聴時間が長い。その分、ゲームに使う時間は短くなっている。また世代別では高齢者の方が視聴時間は長い。55歳以上は2時間近く。プライムタイムは平日3時間・休日4時間なので、そのうち半分前後をずっとテレビ視聴に費やしている計算になる。
どのような番組を見ているのかについても、データが用意されている。男女だけの区分しか公開されていないが、それでも興味深い内容となっている。
↑ プライムタイム(月-土:20時-23時、日:19時-23時)におけるテレビ番組視聴性向(2012年)(米、Nielsen)
男性がスポーツ番組を好むのに対し、女性はエンタメ性の強い番組(ドラマやリアリティ番組)をよく視聴する。特にドラマに対する注力は大きく、視聴時間のほぼ半分を占めている。
最後に、最近色々と話題に登っている「タイムシフトでの」視聴性向。番組を録画しておいて好きな時間に再生すること、つまり「視聴時間(タイム)をずらす(シフト)こと」を意味する。視聴スタイルの柔軟性を高める、時間の拘束性を低減させる一方、CMスキップの問題も(テレビ局にとって)頭の痛い話ではある。
↑ プライムタイム(月-土:20時-23時、日:19時-23時)における「タイムシフトでの」テレビ番組視聴性向(2012年)(米、Nielsen)
全体では大体1/7程度、女性や白人、アジア系の人方がタイムシフト利用率は高い。女性の場合はタイムシフト利用者の61.2%がドラマを視聴しているという結果もあり、あらためてドラマ好きなことが見て取れる。
今件は繰り返しになるが「プライムタイムだけ」の数字であり、この時間帯以外でもテレビを視聴しているので、一日あたりのテレビ視聴時間はもっと長くなる。一方で一番テレビを見る機会が多いとされ、必然的にテレビ局側も選りすぐりの番組を提供している「プライムタイム」ですら、一定比率のタイムシフト利用者がいる。この状況はDVRの普及や趣味趣向の多様化などと合わせ、テレビ視聴スタイルの変化の片りんとして、留意しておく必要があろう。
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