去年の年末年始に大いに上昇…米タブレット機保有率推移の詳細

2012/04/23 12:00

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タブレット機アメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年4月4日、電子書籍を中心に、アメリカの読書性向に関する調査報告書【The Rise of E-Reading】を発表した。モバイル端末、特に電子書籍リーダーの登場・普及で大きな変化をとげている、アメリカの読書の現状をかいまみられる貴重なデータが、多数盛り込まれている。今回はその中から「(電子ブックリーダーとして使われることが多々ある)タブレット機の保有率推移」にチェックを入れることにする。



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今調査は16歳以上のアメリカ合衆国国内に住む人を対象とし、2011年11月16日から12月21日にかけて、RDD方式で抽出された電話番号に対し、電話による音声インタビュー形式で英語及びスペイン語で行われたもので、有効回答数は2986人。対象電話は固定電話が1526人、携帯電話が1460人(そのうち固定電話非保有者は677人)。国勢調査結果に基づくウェイトバックが行われている。また今調査全体のうち一部項目では同様の調査スタイルながらも「18歳以上」「2012年1月20日から2月19日」「有効回答数は2253人」による(より現在に近い)取得データを用いたものもある。こちらを用いている場合は逐次その旨言及する。

なお今調査では特記無き限り、「紙媒体としての書籍」の購読以外に「電子書籍を読む」ことも「読書」と見なしている。日本では一部で「電子書籍を読むのは読書とは呼ばない」とする意見もあり、今件データの確認・他調査結果との比較時には注意が必要である。

先日、別調査報告書の結果を元に【急増するスマホとタブレット、漸減するデスクトップパソコン…米デジタル機器保有率推移】でタブレット機やスマートフォンの普及率について触れたが、アメリカではここ一年の間に最新鋭のモバイル系端末への需要が急増、必然的に保有率が急上昇する傾向を見せている。

↑ 各機器保有率(米、18歳以上)
↑ 各機器保有率(米、18歳以上)(再録)

中でも注目を集めているのが、スマートフォン・タブレット機・電子書籍リーダー。いずれもモバイル系端末で、インターネットとのアクセス機能を有している。タブレット機は据え置き型パソコンに近い(スマートフォンなどと比較して、という意味だが)機能を持ち、携帯も可能、そしてその画面の大きさから専用アプリを走らせた上で、電子書籍リーダーとしても有望視され、活用されている。

今回はそのタブレット機の保有率について、2010年から2011年のほぼ1年間、そして昨年末から今年頭にかけての短い期間(要は年末年始商戦=ブラックフライデー前後)における変移をグラフに納めている。
↑ タブレット機保有率(各属性内、米)
↑ タブレット機保有率(各属性内、米)

2010年から2011年の1年間で、タブレット機の保有率はほぼ倍増している。この変化はどの属性でも大きな違いは無い。あえて言及するとすれば、「年収」項目で低年収層ほど上昇幅が小さいようすがうかがえる。「金銭的に余裕がないと、タブレット機にまで手が回らない」とする解釈が出来る。

ところが2011年12月から2012年1月にかけて、ほとんどの属性で大きな飛躍が確認できる。期間的には2か月ほどでしか無いにも関わらず、2010年から2011年の1年間分ほど(属性によってはそれ以上)の伸び率で、保有率が上昇している。この期間における上昇の特徴としては、属性を問わず(ごく一部を除く)伸びていること。先の「低年収は増加率が低い云々」とした部分も例外では無い。

2011年のブラックフライデーにおける伸び率が大きい属性を見ると「若年層」「低所得層」が浮かび上がる。いずれも可処分所得が低いことが予想されるが、それらの層でもタブレット機が入手できる機会が得られた、ハードルが下がったことが推測できる。

実際にはその通りで、以前【アメリカのブラックフライデーはすごいのぉ】でも言及したように、有象無象のタブレット機(、それに後日別途言及するが電子書籍リーダー)が値引き合戦の主戦力として投入され、多くの人の手に渡っている。
↑ 2011年末のブラックフライデーにおける広告一例。右下に45ドルのタブレット機の姿が見える
↑ 2011年末のブラックフライデーにおける広告一例。右下に45ドルのタブレット機の姿が見える

全体ではほぼ2割、学歴や年収次第では3割を超える保有率を示すようになったタブレット機。電子書籍リーダー同様に電子書籍を読むには快適な(画面の面積と機動力双方の点で)環境を得られる機器の普及で、電子書籍の利用率がさらに高みを見せることは、容易に想像できよう。



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