震災と寄付金の関係
2012/04/02 06:55


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寄付金の変化と(複数の震災では無く)東日本大地震・震災との関係については、以前独自に【震災以降の家計の寄付金の動き(2011年7月末まで反映版)】などで検証している。2か月ほど特異な上昇、3か月目はやや大きな動き、そして4か月目以降は通常と同じ額に戻るというものだった。

↑ 二人以上世帯の家計で支払われた寄付金推移(2011年3月-7月、円/日)(再録)
今回の家計調査のレポートでは、1995年の阪神・淡路大震災、2004年の新潟県中越地震、そして2011年の東日本大地震・震災の3震災についてのデータが寄せられている。それぞれの震災の年における、二人以上世帯の寄付金動向をグラフ化したのが次の図。

↑ 寄付金の月別支出金額推移(二人以上世帯、円)
震災発生後2か月は特異な値を示すという点では、3つの震災すべてが同じ。一方で上ぶれの度合いは東日本大地震・震災が一番大きく、次いで阪神・淡路、新潟県-の順となっている。また阪神・淡路、新潟県-が3か月目には特異な上昇がほぼ終息してしまっているのに対し、東日本大地震・震災ではまだなお大きく上ぶれしている。
むろん3震災の間に物価が変化して、絶対額面の価値に差異が生じている可能性はある。しかし【過去60年にわたる消費者物価の推移(2011年分データ反映版)】にもある通り、前世紀末から物価はほぼ横ばいで安定しており、各額面に価値の変化はほとんど無いと見てよい。
東日本大地震・震災では寄付に駆り立てる衝動(見方をかえれば震災被害の大きさ)がいかに大きかったかが、改めて認識できるというものだ。無論現在でも寄付金の受付は行われており、寄付のやり取りが必要な状況にも違いない。気持ちを素直に表す行動は、他人の動きに気を配ることなく、率先して積極的に行いたいものだ。
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