タッチパネル製品保有の世帯は8割強、携帯ゲーム機5割・カーナビ1/3

2012/04/02 06:50

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タッチパネル方式も使えるデジカメ東京工芸大学は2012年3月29日、ナチュラルユーザーインターフェース(人間の五感や人間が自然に行う動作によって機械を操作する方法)に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、約半数の世帯がタッチパネル対応の携帯ゲーム機を有するなど、8割強の世帯で何らかのタッチパネル方式製品を保有していることが分かった。回答者の世代別では携帯ゲーム機は若年層、カーナビは壮齢層など、需要の高い世代の回答世帯で、所有率も高い値を示している(【発表リリース、PDF】)。



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今調査は2012年2月15日から22日にかけて携帯電話を利用したインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000人。男女比は1対1、年齢階層比は10代・20代・30代・40代で均等割り当て。

スマートフォンや携帯ゲーム機などではごく当たり前に使われる、そして銀行などのATMでもお馴染みなタッチパネル。一部の家庭用ゲーム機で導入され始めているジェスチャー認識。そして先日日本語対応も成されたiOSのSiriに代表される音声対話システムなどのように、人間の普通の行動で機器操作を行う方法を「ナチュラルユーザーインターフェース」と呼んでいる。例えるなら、画面上の箱を移動させたい時に、キーボードで命令を入力したり、プログラムを組んで動きを指示するのでは無く、箱を持ちあげて移動させるジェスチャーを介して指示を行い、移動させる手法である。

さて「ナチュラルユーザーインターフェース」の中でも一番良く使われているであろう「タッチパネル」を有する製品について、回答者本人だけでなく所属する世帯での保有状況を尋ねたのが次のグラフ。回答者自身が自家用車を持っていなくとも、世帯で有しており、その自動車にカーナビが積んであれば「所有している」との回答になる。

↑ 自分自身や家庭で所有しているタッチパネル製品(複数回答)
↑ 自分自身や家庭で所有しているタッチパネル製品(複数回答)

昨今では選択肢として挙げられた機器のほとんどはタッチパネルを有していることから、今件「タッチパネル製品の所有率」はほぼ「該当製品の所有率」と見てよい(無論腕時計やインターホン、携帯電話(フィーチャーフォン)のように、タッチパネルを持たない製品が数多く存在する項目もある)。

今調査母体ではタッチパネルを有する携帯ゲーム機の所有率はほぼ半数。カーナビは1/3、携帯電話(フィーチャーフォン)は1/4という次第。タブレット機がスマートフォンとほぼ同じ回答率を示しているのは驚きだが、それと同時に昨今携帯電話の契約者数の底上げにも貢献している「デジタルフォトフレーム」が、4.4%という具体的な値を示しているのは注目に値する。全体の約1/23、決して小さな値では無い。

これらのうち上位10位について、回答者の世代別に仕切り直したのが次のグラフ。

↑ 自分自身や家庭で所有しているタッチパネル製品(複数回答)(上位10位、世代別)
↑ 自分自身や家庭で所有しているタッチパネル製品(複数回答)(上位10位、世代別)

携帯ゲーム機は圧倒的に若年層が高く、10代では7割を超えている。もっとも30代・40代でも4割に届いているが、これは本人はもちろん家族の保有も回答に該当するからに他ならない。また、カーナビやデジカメは壮齢者ほど高いが、これは「操作に手慣れているから」というより(個々の機器ではタッチパネル搭載が当たり前のものが多いため)「保有」≒「所有」の式が成り立つからだろう。その点では電子辞書で10代が4割を超えているのも驚くに値しない。

「ナチュラルユーザーインターフェース」の中ではもっとも汎用性の高く、それ有に多くの人に活用されているタッチパネルだが、一方で(今件調査母体には無い)高齢者には使いにくいとの話も耳にする。画面表示の見にくさもあるが、最大の短所として挙げられるのが「人間の普通の行動で機器操作を行う」にも関わらず、押した実感が得られないというもの。要は自分の入力行動が確認できないというのだ。また皮膚が乾燥している場合が多く、反応が悪いという事例も多々あり、操作の難儀さに拍車をかける。

今回挙げた電子機器の多くは、タッチパネルの搭載・入力による操作が前提となっている。今後さらにこれらの普及率が高まり、高齢層にも浸透すると、操作周りでトラブルが多発するようになるのだろうか。



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