鉄道の「女性専用車両」、女性は5割強・男性は3割足らずが「必要」

2012/03/25 06:35

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女性専用車両リサーチバンクは2012年3月21日、通学・通勤電車に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、いわゆる「女性専用車両」の必要性について、男性は3割足らず・女性は5割強が「必要だ」と考えていることが分かった。一方、「不要」は男性3割強なのに対し女性は1割強に過ぎず、男女で必要・不要の意見が大きく異なっているのが確認できる(【発表リリース】)。



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今調査は2012年3月8日から15日にかけて10-60代の通学・通勤で電車を利用する男女に対し、インターネット経由で行われたもので、有効回答数は755人。男女比は516対239、世代構成比は10代29人・20代134人・30代221人・40代233人・50代112人・60代26人。

女性専用車両とは古くは戦前、1910-20年代に登場した鉄道交通機関内における車両。主に痴漢対策のためという配慮のものだが(戦前の場合は「見知らぬ男女が同じ狭い場所に長時間居るのは良くない」とする社会的風潮も事由の一つ)、昨今では2001年に京王電鉄京王線で正式に採用されて以来、関西を中心に導入が進み、2005年以降は関東でも導入が相次いだ。

「女性専用車(両)」は「依頼」「お願い」を前提として成り立つ仕組みであり、法的根拠・拘束力は(鉄道内規則も含め)無い。また名前からは「女性のみ」と誤解されがちだが、【「女性専用車」って女性「だけ」じゃなかったのか】にもある通り、女性だけでなく体が不自由な方や介護の方、子供達も乗れる「ルール」を設定している鉄道会社も多い。

賛否両論さまざまな意見が交わされている、この「女性専用車両」だが、今件調査母体では男性は29.8%、女性は53.1%が賛意を示していた。

↑ 女性専用車両は必要か
↑ 女性専用車両は必要か

女性専用車両を対象とした賛否への問いなだけに、男女で大きな差が出ている(参考として「全体」も表記してあるが、男女構成比に偏りがあるため、あまり意味は無い)。「どちらともいえない」は(やや男性が多いものの)男女とも大きな違いは無く、男性が賛否両論でほぼ二分されているのに対し、女性は圧倒的多数が賛成派であるのが分かる。利用者サイドからは、「女性専用車両」の有意義性は強く認識されているものと思われる。

昨年の夏期節電実施時には一時的に休止したものの、現在では再び復帰している「女性専用車両」。先の「女性以外も特定条件にある人は乗車できる」話にしても、実は鉄道会社によってそのルールはさまざま。また、「逆差別」「専用車両を用意する方が差別」「利用客比率に即して増設すべきだ」など多種多様な意見が渦巻いていることも否めない。今後どのような動きを見せるのか、通勤電車の利用者は、実際に専用車両を眺めつつ、想いを馳せてみるのもよいかもしれない。


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