タブレット機でニュースを読む人は約1割…アメリカのニュース取得状況
2012/03/24 07:35
アメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年3月19日、デジタル・非デジタル双方におけるアメリカでのニュースメディアの動向と展望に関するレポート【State of the News Media 2012】を発表した。現状と将来展望をPew Research社の調査結果と公的情報や他調査機関のデータを合わせてまとめ上げた、いわば「米デジタルニュース白書」のようなもので、貴重なデータが数多く盛り込まれている。今回はその中から、Pew Researchが行った各種調査の調査母体における、デジタル機器の保有状況などを見て行くことにする。
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今レポートは大きく「公的機関など他機関の調査結果」と「Pew Research Centerの調査結果」(いずれもアメリカ国内)で構成されている。後者については2012年1月12-15日・19-22日・26-29日にかけて、RDD方式で選ばれた番号による電話による口頭調査で、英語にて18歳以上に対して行われたもので、有効回答数は3016人。そのうち1809人は固定電話で、1207人は携帯電話で回答している。携帯電話回答者のうち605人は固定電話を保有していなかった。また調査結果は2011年3月時点の国勢調査結果によるウェイトバックがかけられている。
「State of the News Media 2012」では前提条件として、Pew Research Center側の調査における調査母体の属性などを掲載している。そのうち主要デジタル機の保有と、それらからのニュースの取得状況をまとめたのが次のグラフ。
↑ 主要デジタル機保有とニュース取得状況(米、2012年1月)
デスクトップパソコン、あるいはノートパソコン(ラップトップ)保有者は8割近く。案外少ないように見えるが、スマートフォン、タブレット機保有者がそれなりにいるので、そちらに代替している人も考えれば納得は行く。そしてパソコンでニュースを読んでいる人は5割強。概算するとパソコン保有者の7割近くはそのパソコンでニュースを読んでいる計算になる。
一方、スマートフォン保有者は39.1%、それでニュースを読んでいる人は18.9%。パソコン同様に試算すると、5割近くのスマートフォンユーザーがニュース読者ということに。同様にタブレット機は16.9%・約6割近くとなる。保有率は【主要国のタブレット保有比率】の値とほぼ一致する(年末年始でアマゾン・キンドルによる大幅な底上げがあったことを考えれば、調査期間を考慮すると誤差も合わせて数ポイントの上昇は十分にありうる)。
またこのデータでは、普段は注目されないような項目も挙げられている。Facebookとツイッターからニュースを取得しているか否かについてだが(メディアは問わない)、前者は24.7%、後者は7.9%と、案外高率でソーシャルメディアからニュースが読まれていることになる。
ニュースとソーシャルメディアとの関係については【ツイッターとソーシャルメディア、それぞれのニュース媒体としての使われ方の違いとは】や【7割強は「他メディアと同じようなニュース」米ソーシャルメディアとニュースの関係】などで触れているが、元々ソーシャルメディアが「身近な情報の収集を低いハードルで行う」事に長けたものであり、ニュースの購読とは相性が良い。
今回の「State of the News Media 2012」でも、いくつかの項目で「ソーシャルメディアとニュースの親近性」を裏付けるような話、データが出ている。今後逐次、そのあたりを見て行くことにしよう。
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