検索エンジンで得た情報と自分の検索技術、時と共に向上している…ように思える?
2012/03/25 19:30
アメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年3月9日、アメリカ国内における検索エンジンの利用状況に関する調査結果を発表した。それによると調査母体内インターネット利用者の91%にあたる「検索エンジン利用経験者」においては、検索エンジンで見つけられた情報の品質が、年と共に向上していると評価した人は過半数に達していることが分かった。しかしシニア層はやや評価がキツめな回答をしている。また2004年時点の調査と比べると、検索エンジンを使った時に「欲しい回答が得られる」率は2倍近くに増加していた。検索エンジンの精度と共に、使い手側も慣れてきたように見える(【発表リリース】)。
スポンサードリンク
今調査は2012年1月20日から2月19日にかけて、18歳以上のアメリカ在住の人にRDD方式で選ばれた電話番号に対し、口頭調査(英語とスペイン語)で行われたもので、有効回答数は2253人。うち1352人は固定電話で、901人は携帯電話で回答した(携帯電話回答者において440人は固定電話が世帯内に無い人)。回答者のうちインターネット利用者は1729人(全体比76.7%)。統計結果は2011年分の国勢調査結果によるウェイトバックがかけられている。
先に【「検索エンジンって精度上がってる?」米利用者の52%は「その通り」】で示した通り、調査母体では過半数の人が、検索エンジンにおける検索結果の妥当性などに対し、時間と共に進化改善が成されていると判断している。「悪化した」の意見は7%に過ぎず、全般的に時間の経過と共に行われる精度向上に対しては高評価と見てよい。
↑ 全体的に、検索エンジンにおける検索結果の妥当性・関連性が時と共に改善されていると思うか(米、検索エンジン利用者限定、2012年1-2月)(再録)
しかしこれを世代別に見ると、シニア層はやや厳しい目で状況を眺めているのが分かる。
↑ 全体的に、検索エンジンで見つけた情報の品質は時と共に向上していると思うか(米、検索エンジン利用者限定、2012年1-2月)
可能性としては「シニア層では違いがはっきり分かる程昔から検索エンジンを使っている人は多くない」ことが考えられる。「質が悪化している」の回答者が3%しかおらず、多くは「変化が無い」と答えているのもその裏付けになる。
一方で検索エンジン利用者の検索スキルも、少なくとも自称レベルでは上がっているように見える。
↑ オンライン上の情報探しに検索エンジンを使った場合、探していた情報が手に入るのはどの程度の頻度か(米、検索エンジン利用者限定、2012年1-2月)
「いつも」+「大体」の合計はほとんど変わらないが、「いつも」の値が2004年と比べて2012年では2倍近くにまで増加している。2004年・2012年双方で同じ環境・検索エンジン(個々の検索エンジンの仕様、という意味)を使っているわけでは無く、当然検索エンジン側の進化による所も大きいが、利用者の「欲しいものを得られた」満足感を覚える比率は増加している。それだけ「検索に手慣れた」(と自覚している)人が増えてきたということなのだろう。
スポンサードリンク