「公正かつ公平な表示」66%…アメリカでの検索エンジンへの信頼度
2012/03/21 12:10
アメリカの調査機関【Pew Reserch Center】は2012年3月9日、アメリカ国内における検索エンジンの利用状況に関する調査結果を発表した。それによると調査母体内インターネット利用者の91%にあたる「検索エンジン利用経験者」においては、66%の人が「検索エンジンが公正かつ公平な検索結果を表示している」と思っていることが分かった。「公平ではない」とする人は2割に留まっている。また「検索エンジンで見つけた情報の正確・信頼性」においては、7割を超える人が「大体か、それ以上の信頼」をおいているという結果が出ている。概して検索エンジンに対する信用度は高いように見える(【発表リリース】)。
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今調査は2012年1月20日から2月19日にかけて、18歳以上のアメリカ在住の人にRDD方式で選ばれた電話番号に対し、口頭調査(英語とスペイン語)で行われたもので、有効回答数は2253人。うち1352人は固定電話で、901人は携帯電話で回答した(携帯電話回答者において440人は固定電話が世帯内に無い人)。回答者のうちインターネット利用者は1729人(全体比76.7%)。統計結果は2011年分の国勢調査結果によるウェイトバックがかけられている。
先に【大卒は3/4が毎日利用…高学歴・高年収ほどよく使う米検索エンジン事情】でも触れているように、インターネット利用者に対する検索エンジンの利用性向(利用経験率)は10年前から高い傾向にある。直近の2012年では91%。また全般的に40代未満・高学歴・高年収ほど高い利用性向を持つことが確認されている。
↑ 検索エンジンの利用状況(米、2012年1-2月、インターネット利用者限定)(再録)
それではこの検索エンジン利用者において、検索エンジンそのものに対する信頼・信用度はどのような状態にあるだろうか。全幅の信頼をおいているのか、それとも「不当な内部操作を行い、不公平な表示をしているに違いない」と疑心暗鬼で使っているのか。
↑ 一般的に見て、検索エンジンは情報提供において公正かつ公平な表示をしていると思うか(米、検索エンジン利用者限定、2012年1-2月)
検索エンジンの検索結果に対し、「公正かつ公平な表示をしている」と思っている人は2/3。「そうでない」という意見は2割。「ケースバイケース」が3%で「分からない」が1割。現実問題として検索エンジンのサービス提供会社は私企業であり、公正かつ公平な表示をする義務は無い。しかし社会インフラと同質のサービスを提供していることによる、社会的道義責任は存在する。また不公平・不正な結果は利用者離れを起こし、結局自らの首を絞めることになる。
「それなりに信頼している検索エンジンが選んだのだから」ということもあり、検索結果で表示されるサイト、そこから得られる情報に関する信頼度も高め。
↑ 一般的に見て、検索エンジンで見つけた情報はどれほど正確で信頼に足るものと思うか(米、検索エンジン利用者限定、2012年1-2月)
「ある程度信頼できる」まで含めると9割を超え、「大体信頼できる」「全部・ほとんど」までに限定しても7割超えの人が、検索エンジンで得られた情報に信頼を置けると回答している。
なお大本の資料をたどると、検索エンジンの結果に対する公正・公平感への肯定度合いは2004年とほぼ変わりない。逆にいえば同程度の高い信頼性を勝ち続けているからこそ、検索エンジンの利用性向が高まり、高い頻度で利用する人が増えていると考えた方が、道理は通るというものだ。
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