皆がハッピーになる素敵なお菓子の広告
2012/03/21 07:15
ナビスコが世界中で製造販売している、黒と白の配色が特徴のクッキー「オレオ(Oreo)」。そのメジャーさを反映してか、各国広告媒体のテーマとしても何度となく登場するこのクッキーが、今年2012年で発売100周年を迎えることになった。それを記念して多種多様な広告展開が行われており、連鎖的に注目を集めている。今回はオレオの普遍的な美味しさが、老若男女を問わず、万人に好かれていることを改めて知らしめると共に、観ている人の気持ちをも優しくさせてくれるようなCMである(【The ADS of the world】)。
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↑ Oreo Commercial 2012: Commute(公式)。
恐らくは早朝の通勤電車でのワンシーン。これから始まる、毎日の繰り返しの仕事を前に、お客は皆厳粛な、ややしかめっ面とも表現できる面持ち。乗務員もまた同じような表情で切符の確認とパンチング。
↑ 毎日がこの繰り返しか…とでも頭で思い浮かべていそうな、少々疲れ気味にも見える乗務員
その静寂をひっくり返すかのように、突然現れる子供達。手にはお皿いっぱいのオレオが。そしてそれを仏頂面の大人達に、にこやかに配っていく。
↑ 「車内サービスです♪」とでも言いたげに、子供達がオレオを配り歩く員
山ほどのオレオを目にし、そして子供の手から、あるいは皿からオレオを手にするに連れ、大人達の表情は見る見る間に優しく、明るく、そして微笑みで満ちあふれて行く。一般的な食べ方とはいえ、公共の場では行儀の悪さを指摘されてしまうかもしれない、ミルクに浸したり、中のクリームをペロリと舐めまわすような食べ方で、童心に帰ったかのような面持ち。
↑ 上のクッキーを剥がして中のクリームをぺろり、あるいは牛乳に浸してもそもそ。もはや最初の「ピリピリとした車内」の雰囲気は消し飛んでしまっている
皆が朝の重い緊張感を吹き飛ばし、子供のような面持ちでオレオでのひとときを楽しむ中、給仕をした子供は「次の停車駅は幼少時代(Childhood)です」とのプレートを見せ、そばの大人も「うんうん、そうだよね」と喜びの表情を見せてCMは終わる。
↑ 次の停車駅は幼少時代
オレオの美味しさは世代を超える。色々なものを抱えて楽しさ、喜びを忘れてしまった大人達の気持ちを、懐かしい思い出がいっぱいな、純粋に日々を楽しめた幼少時代に引きもどしてくれる。老若男女に慕われている、100年もの歴史を持つオレオだからこそ納得のいく、重みのあるメッセージ性を持ったストーリーといえる。
同じような話の流れを持つ、別の場面のCMもある。こちらは「教育委員会(School Board)」との説明があるので、教育問題で紛糾している場面を想定しているようだ。
↑ Oreo Commercial 2012: School Board(公式)。
多様な問題を抱え紛糾している委員会が、オレオの力であっという間に和やかな雰囲気に包まれる情景が、30秒の間に折り込まれている。最後のメッセージは「ひと休みしましょ」。「いかに多くの人に安らぎと子供心を与えてくれるか」を介して、「100年の歴史の重み」を再確認させるCMといえよう。
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