主要国のタブレット保有比率

2012/03/16 06:50

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タブレット利用先の記事【EUより米の方が女性比率は高め…欧米主要国のスマートフォン保有者の世代区分など】でも記しているが、世界各地に調査パネルを保有する米国内調査機関のcomSCOREは同年2月23日、モバイル端末、中でもスマートフォンに絡んだ調査結果を発表した。今リリースには同社調査パネルを対象とした、主要国モバイル端末事情に関わるデータが掲載されており、注目に値する。今回はその中から「主要国のタブレット保有比率」について見て行くことにする(【発表リリース】)。



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調査対象母集団や調査方法については先日の記事「EUより米の方が女性比率は高め…欧米主要国のスマートフォン保有者の世代区分など」に記述してあるので、そちらを参考にしてほしい。

元資料では「モバイル端末を持っている人における、タブレット機(Apple iPad 2以外にSamsung Galaxy Tab、Amazon Kindle Fireなども含む)の保有比率」とある。一方で今件調査は元々「携帯電話所有者」を対象としており、前提はほぼイコールに等しい。ともあれ、その条件下におけるタブレット保有比率が次のグラフになるが、アメリカがもっとも高く、15%近い値を示している。

↑ モバイル端末保有者で同時にタブレット機も持っている人(2011年12月)(comScore MobiLens)
↑ モバイル端末保有者で同時にタブレット機も持っている人(2011年12月)(comScore MobiLens)

次いで多いのはカナダとスペインの10.3%、フランスとイギリス・イタリアが8%台、ドイツが7.4%、そして日本は4.6%に留まっている。

2011年はスマートフォン同様にタブレット機の躍進・成長の息吹を感じとれる年だったが、特にアメリカ・カナダで高い値を示しているのは、【アマゾンのKindle Fireはタブレット市場の起爆剤に】でも示しているように、アマゾンのKindle Fireが低価格帯で大きな普及率の底上げをしたこと(&電子書籍購読中心派も巻き込んだこと)、【「新聞の代わりに」6割近く…米のタブレット機でニュースを読む人の購読スタイルとシフト】などでも触れている通り、各メディアが積極的にスマートフォンやタブレット機に向けた対応を示し、読み手の便宜を図ると共に、早期の顧客取り込み競争が激化しているのが効果を示したと考えてよい。

また、元資料でも明記されているが、タブレット機の所有者は「他の既存利用メディア”の代わりに”タブレット機を使う」のでは無く、「他の既存利用メディア”と併用する形で”タブレット機を使う」ライフスタイルで生活している。デスクトップやノートパソコン、スマートフォンなどと「時と場所」で最適なものを使い分ける選択肢の一つとして、タブレット機が加わるという次第。既存メディアの利用性向は減るものの、使わなくなるわけでは無い。

これは別調査機関の調査結果【「タブレット機使い始めたらパソコンは……」米タブレット端末保有者の利用性向】にもある通りで、タブレット機の導入で既存のメディアの利用頻度は減ったものの、「全く使わなくなった」とする人はごく少数なことからも明らか。

↑ タブレット端末購入によるその他機器使用への影響(2011年春・アメリカ、ニールセン調査)
↑ タブレット端末購入によるその他機器使用への影響(2011年春・アメリカ、ニールセン調査)(再録)

詳しくは別途改めて示すが、タブレット機のネット接続環境は3G・4G回線ではなく、多分に無線LAN(Wi-Fi)で占められている。タブレット機が「自宅や職場など、少々の移動のみあり得る特定エリア内」での利用ツール・選択肢として、「スマートフォンより表示能力をはじめとした各機能に優れ」「デスクトップよりも機動力が高く」「ノートパソコンよりも軽くてお手軽、即時起動が可能」な特徴を持つ物として受けいれられつつある。

日本のタブレット保有率は、今調査において5%に満たない。他の調査でもほぼ同じ値を示していることから、確証性は高い。今後iPadの新型機を中心に、そして今後アマゾンからのキンドルが正式に(欧米同様の廉価・利用ハードルの低い通信サービスの提供込みで)発売されることで「タブレット機廉価層の拡充」を経て、利用率は急速に高まっていくことだろう。



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