自衛隊の災害派遣活動、98%が評価(2015年)(最新)

2015/03/11 14:46

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自衛隊は国防を第一義とする公的機関ではあるが、それは外国勢力からの軍事的侵略行為への対抗手段としての存在に留まらず、その組織力・実働力を活かした国内外における自然災害などへの対応行動も意味する。それでは自衛隊の存在理由の一つとされる、災害派遣活動に関して、人々はどのような評価を下しているのだろうか。内閣府が2015年3月9日付で発表した自衛隊・防衛問題に関する定期世論調査によると、実に98%の人が肯定的な評価をしていることが明らかになった(【自衛隊・防衛問題に関する世論調査(平成27年1月調査)】)。


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今調査に関する調査要項は先行記事【自衛隊への好感度92.2%・調査以来最高値を更新(2015年)(最新)】を参照のこと。

先に【自衛隊への好感度92.2%・調査以来最高値を更新】でも示したように、昨今の近隣諸国関連などに代表される国際情勢の変化、そして2011年の震災に対する災害派遣活動への評価もあり、自衛隊に対する印象は調査史上最高値を示している。

↑ 自衛隊に対する印象(内閣府調査)(再録)
↑ 自衛隊に対する印象(内閣府調査)(再録)

今件項目ではその震災への派遣活動をはじめとした、各種災害に対する派遣活動について、いかなる評価が出来るかと尋ねている。選択肢は「大いに評価」「ある程度評価」(以上評価派)「あまり評価せず」「全く評価せず」(以上非評価派)「分からない」の計5つ。結果として評価派が98.0%という極めて高い値が出る形となった(グラフ上は「大いに評価」「ある程度評価」を単純加算すると98.1%だが、端数部分の四捨五入によるもので、回答者数で計算すると98.0%になる)。

↑ 自衛隊の災害派遣活動に関する評価(内閣府調査)(2015年)
↑ 自衛隊の災害派遣活動に関する評価(内閣府調査)(2015年)

今件では選択肢として「まったく評価せず」も用意されているが、元データを見る限りその項目を選択した人は皆無、つまりゼロ人となっている。また「評価する」派内でも「大いに評価」の割合は高く、歳を経るに連れてその割合は増加する傾向にある。

一方、【対米89%、好感度もうなぎ昇り…対外国・震災対策評価】でも示したように、実際に行われた内容と比べれば(全国報道では)報道される量が少ないものの、アメリカ軍は「オペレーション・トモダチ(トモダチ作戦)」の名のもとに海軍・海兵隊・空軍が連動する形で、2011年3月の震災に際し、自衛隊と同様に各種救助・救援・復興支援を大規模に展開した。今回の「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」ではこの「トモダチ作戦」に関する調査項目は無いものの、前回2012年の調査では対象項目として取り上げられている。その時の調査結果を参考として挙げておく。

↑ 米軍の支援活動「トモダチ作戦」に対する印象(内閣府調査)(2012年)
↑ 米軍の支援活動「トモダチ作戦」に対する印象(内閣府調査)(2012年)

「トモダチ作戦」に対する評価も、自衛隊のそれと比べればやや値を落とすものの、高い値を示している。他方、自衛隊に対する評価と比べて「分からない」の回答率が高いことも合わせて考察すると、作戦の内容・実態としてよりは、世間一般の人に伝えられる、知り得る情報量の違いが、そのまま評価にも現れたものと思われる。

今調査では地域別の調査結果が無い(回答者居住地域の都市規模別はある)ことから、一部で語られている「地域による自衛隊の行動に対する反応の違い」を確認することができない。ただ、東京都区部は都市規模別区分でも別途計上されており、母数が77人と少ないことから「ぶれ」のリスクはあるものの、その実情を知ることができる。

↑ 自衛隊の災害派遣活動に関する評価(内閣府調査)(2015年)(東京都区部)
↑ 自衛隊の災害派遣活動に関する評価(内閣府調査)(2015年)(東京都区部)

元々全体値でも100%に近い値の項目だったことも一因だが、評価派ですべてが占められ、しかも「大いに評価」の比率が3/4近くに達している。災害派遣活動を直に体感する機会こそ少ないが、報道などで見聞きすることが多いのが今結果の理由かもしれない。


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