震災前の備蓄率3割足らず・震災後に意識は高まるが保管状態は……

2012/03/13 06:40

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備蓄品キリンMCダノンウォーターズは2012年3月6日、母親における「家庭での災害への備え」に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、2011年3月の東日本大地震・震災(「本震」)前に災害対策として食料や水などの備蓄をしていた人は、1/4強だったことが分かった。一方で震災後に備蓄意識が高まった人は8割近くにのぼる。ただし備蓄品の多くは購入時のまま放置されているなど、正しい知識を習得していないため、空回りしている状況も確認できる(【発表リリース】)。



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今調査は女性(主に母親)向けのコミュニティサイト「ウィメンズパーク」にてインターネット経由で2012年2月23日から27日に行われたもので、「母親」を対象にしている。対象年齢は25-39歳、回答者数は500人。世代構成は非公開。

昨年の「本震」とそれに伴う各種震災では、流通網の一時的な混乱と生産設備への被害で、被災地以外でも食料や水が不足気味な事態に陥る場面があった(基本的な物品はほぼ定数を満たしており、不足状況の原因は、むしろ情報不足や混乱に伴う過剰な需要発生によるところが大きい)。この経験を経て、非常用品の再確認、整備を思い立った人も少なくなかろう。

今件では食料や水の備蓄について、本震前から行っていたか、本震後に備蓄意識は高まったかを尋ねているが、備蓄を以前からしていた人は27.0%に過ぎなかった。

↑ 食料・水の備蓄に関する考え方
↑ 食料・水の備蓄に関する考え方

今調査は「母親」が答えており、ほぼ二人以上世帯の動向を推測できる値と見て良い。その条件下では、備蓄率は3割に満たなかったことになる。一方、本震後に備蓄意識が高まったとする意見は78.0%と8割近くに達しており、最大で5割ほどが備蓄を新たに行ったとの期待ができる(すでに備蓄をした人が「さらに」意識を高めた場合、そして「意識」は高まったが実践していない事例もあるため)。

しかしながら備蓄品に関する情報の習得は不十分。備蓄に必要な水・食料の量を把握している人は1/3強でしかなく、また調達した備蓄品もその多くは「そのまま」の状態で放置されているのが確認できる。

↑ 備蓄品の保管状態(食料)(複数回答)
↑ 備蓄品の保管状態(食料)(複数回答)

保全性のあるパッケージ食品はそのままでもそれなりに日持ちはするが、保存状態が悪いと劣化も早い。また、数年前の新型インフルエンザ対策のような状況想定ならともかく、「本震」のような自然災害への対策となると、それなりの「可能性」を考慮する必要が出てくる。特に「水」「米」のような、外部環境の変化に弱そうな品物ほど「購入時の姿でそのまま」保存されているという、少々不安な状況が見て取れる。住宅事情を考えれば場所の確保も難しいのが現状だが、出来るだけ対策をした上で備蓄をすべき。

防災のしおり幸いにも新型インフルエンザへの懸念を経て、各官公庁をはじめ法人系・個人系のウェブサイトで、備蓄に関するノウハウが集約されたサイトが多数設けられている(「備蓄」で検索するのが一番手っ取り早い)。一般災害に関する話も盛り込まれている場合が多いので、そちらを参考にすると良いだろう。また、各食品メーカーも「防災のしおり」などで啓蒙を行っており、それらのパンフレットも非常に有益な情報源となる。使えるものは積極的に活用し、備えを充実させたいものだ。


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