女性スマホユーザーの1/4は「商品の写真を撮る」…デジタル化する米消費者性向
2012/03/14 07:00
世界各地に調査パネルを有するアメリカの調査機関comSCOREは2012年2月23日、モバイル端末、特にスマートフォン関連の調査結果を発表した。今リリースには同社が持つ調査パネルを対象とした、主要国のモバイル端末事情に関する興味深いデータが多数盛り込まれている。今回はその中から、「スマートフォン保有者の小売店に絡む行動性向」について見て行くことにする(【発表リリース】)。
スポンサードリンク
今データはcomScoreの調査パネルMobiLens(13歳以上の携帯電話所有者を対象に定期的な調査・データ取得を実施している)の結果を元にしたもので、アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・スペイン・イタリア・カナダ・日本を対象国としている。調査対象数はアメリカが1万人、イギリスとドイツが5000人、フランス・スペイン・イタリアが4000人、カナダが5000人など。日本向けのサービスの詳細は【MobiLens公式サイト(日本語)】を参照のこと。
写真を撮り、文章を入力し、不特定多数にその組合せで作った「情報」を発信する…携帯電話は機動性の高い情報発信源とも表することができる。これまで直に口頭で伝聞するしかなかった商品の口コミも、スタイルを大きく変えつつある。昨今の海外のプロモーションの多くは、モバイル、特にスマートフォンを利用する観客が大勢居て、内容が不特定多数に拡散されることを前提としたものも増えているほど。
さて今件項目では、「アメリカの」スマートフォン利用者に限定し、小売店に絡む行動性向を尋ねている。小売店で商品を見かけた、手にとった、購入した際に、スマートフォンを使ってどのような行動を起こしているかを聞いたものだ。
↑ 米スマートフォン利用者における小売店周り行動性向(2011年10-12月平均)(comScore MobiLens)
男性と女性の行動性向の違いがはっきりと出る結果となった。男性は概して機能面・自分自身の目的要因での対応に強く、「バーコードの取り込み」「価格比較」「性能調査」などの点で女性を上回る。一方女性は直感的・第三者へのアクション的な行動、「写真を撮る」「商品の情報を第三者に伝える」などの点で男性以上の値を示す。【女性がクチコミ大好きな理由とは?】でも説明しているように、女性は「情報伝達行為」そのものも楽しむライフスタイルを好むため、得た情報を「コミュニケーションツール」としても認識している感が強い。
特に「写真を撮る」が1/4近く、「その写真を知人や家族に送る」が2割強居ることは注目に値する。単純に商品の情報を伝える人も同程度いることから、「これは伝えねば」という注目商品があれば、少なからぬスマートフォンユーザーは写真を撮り、自分の感想込みでその写真を知人に「デジタル・口コミ」することになる。例えばカワイイ熊のお手製ケーキを行きつけの店で見つけた女性が写真を撮り、「このクマケーキ、カワイイよね!」との感想込みで知人にメールしたり、ソーシャルメディアに投稿する。その人の影響力が大きければ、あっという間にその情報は不特定多数に知られることになる。
どのような情報が伝えられるか、正しい情報が伝聞されるか否かはケースバイケースであり、小売店側にしてみればリスクを伴う。とはいえ、「正しい、誠実な」商売を継続することで、リスクを極小化させ、メリットの享受可能性を拡大させることは可能。
日本でもスマートフォンユーザーが増える今日この頃。そしてもちろん日本の携帯電話のほとんどは、すでに十分過ぎるほどのデジカメ機能を有している。一部店舗ではすでに「お客のモバイル端末利用」を前提とし、商品プレートの横にQRコードを配し、詳しい商品情報や産地などを提供するところも出ている。そのような動きも合わせ、店舗側も「デジタル社会」に対応すべく、色々と考える時期が来ているといえよう。
■関連記事:
【アメリカで 大いに流行る クーポンは 紙ではなくて デジタル形式】
【ネットで探すのが重要な商品情報トップは「自動車」、それでは共有は? 北米女性の商品とネット口コミの関係】
スポンサードリンク