米モバイル端末保有者の5割近くはスマートフォン持ち

2012/02/23 07:00

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iphone通信量の急増によるインフラの不安定化というリスクと対峙しながら、スマートフォンの普及率は急カーブを描く形で増加の一途をたどっている。携帯電話会社の新製品は市場の需要を反映するために、多くがスマートフォンで占められている。世界各国で似たような状況が進行する中、普及浸透という点で先行するアメリカにおける、最新のスマートフォン普及率(保有率)調査結果が、先日【米調査機関のニールセンから発表された(Survey: New U.S. Smartphone Growth by Age and Income)】。それによると調査母体(一般携帯電話も含めたモバイル系端末保有者)全体では実に48%の人が、スマートフォンを所有していると答えたとのことである。また、その所有率も年収・世代で大きな違いを見せていることが明らかにされている。



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今調査は2012年1月に何らかのモバイル端末を所有するアメリカ在住の人、合わせて2万人以上に尋ねたもの。世代構成や性別比率は非公開。

まずは「何らかのモバイル端末保有者」に対する、スマートフォン保有率。

↑ 年収・世代別スマートフォン保有率(米、2012年1月)
↑ 年収・世代別スマートフォン保有率(米、2012年1月)

純粋に世代区分だけで見ると、25-34歳層がもっとも保有率が高い。そして18-24歳・35-44歳層、45-54歳層、55-64歳層、65歳層と保有率は低下していく。一方年収別で見ると、一部イレギュラーなところはあるが、大体1.5万ドル未満が一番低く、10万ドルが一番高い傾向を示している。それぞれ「新しいデジタル機器への好奇心が旺盛な若年層ほど」「高年収ほど」保有率が高いことを表している。

もっとも細かい部分を見ると、色々な違いが見えてくる。

・年齢がかさむにつれて、保有率が上昇する年収区分が上がっていく。歳を経るにつれて生じるデジタル技術や操作系などへのハードルが高まり、「年収による必要性」を超えるまでにより大きな必要性が求められるということらしい。

・年収が1.5万ドル未満の場合、25-34歳での盛り上がりは無く、ストレートに「歳を経るほど保有率が減少する」傾向にある。
 (それより上の年収でも類似傾向があるが、ここまではっきりとした差異では無い)

・高年収者はスマートフォンの必要性がとりわけ高い。65歳でも4割近い保有率を見せる。

・若年層は年収に左右されず、過半数がスマートフォンを保有している。

※「何らかのモバイル端末保有者」が母体であることに注意

多少の変移はあれど、高年収・若年層ほどスマートフォン保有率が高いのは、以前【10代後半から20代は過半数…アメリカのスマートフォン保有率】をはじめ、いくつかの調査結果からも明らかにされていた話。今件はそれをさらに裏付ける形となる。

また、昨今のスマートフォン人気は過熱するばかりで、直近三か月に「何らかのモバイル端末」を買い替えた・新規購入した人に限れば、実に7割近い人がスマートフォンを購入している。母体全体と比べて比率は高く、いかに最近購入者のスマートフォン比率が高いかが分かる。

↑ 年収・世代別スマートフォン保有率(米、2012年1月)(保有者全体、直近三か月以内購入者限定)
↑ 年収・世代別スマートフォン保有率(米、2012年1月)(保有者全体、直近三か月以内購入者限定)

若年層は元々保有率が高いこともあり、全体と比べれば差異は小さいものの、それでも8割の保有率を見せる。一方高齢層は伸びしろが大きいせいか成長率も高く、「購入者全体」と比べて「三か月以内限定」の保有率は2倍近くに達している。

最若年層が20-30代保有率に追いついてきたこと、高齢者の保有率が伸びていることを合わせて考えると、アメリカのスマートフォン市場は成熟期に近づいている感がある。今後さらに増加する市場に向けて、多種多様なアプリやサービスが登場するだろう。

それと共に冒頭で触れたように、通信量の増大に関する問題はますます深刻化するものと思われる。適切な対処を期待したいし、日本国内では「他山の石」として「成功事例を」参考にしてほしいものだ。



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