ビジネス・マネー系雑誌の部数推移(2011年まで)
2012/02/17 06:40


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使えるデータは「2008年4-6月期」から「2011年10-12月期」まで。四半期単位なので、都合15期分となる。個々の分野では多数の雑誌を対象としているが、すべてを対象としたのではグラフの動き把握しにくい・部数が少ない雑誌はぶれが大きくなるので、今回は直近時点でデータが確認でき(発刊中)、部数が上位6位のものに限定した。
まずは部数そのものの推移。

↑ ビジネス・マネー系雑誌の印刷実績(万部)(上位・一部のみ)
「COURRiER Japon」は今回取り上げた中では部数がもっとも少ないものの、期間中では比較的安定した推移を見せている。それ以外は概して漸減傾向にあり、特に部数そのものはトップを行く「PRESIDENT」、そして「THE21」の低迷が目に留まる。
一方、一部雑誌は2011年4-6月に「イレギュラー的伸び」を見せ、中期的な流れでも「震災特需」がビジネス系雑誌に発生したことをあらためて認識させる。
これを前期比で見たのが次のグラフ。

↑ ビジネス・マネー系雑誌の印刷実績(上位・一部のみ)(前期比)
発行部数上位を選んでいるため、それなりに部数が多い雑誌のみの構成だが、毎期ごとの変動が大きめの雑誌が複数存在しているのが分かる。具体的には
・「COURRiER Japon」……安定と激しい変動の繰り返し
・「PRESIDENT」……震災までは比較的(低迷方向での)安定
震災後は大きな変動
・その他の雑誌……四半期ごとに大きな変動
の傾向が見て取れる。「BIG tomorrow」は漸減しているものの固定読者層が多い、「その他の雑誌」は企画や特集での受けのあるなしによる変動が大きい(野球で例えるならばホームランバッター。ホームランか三振か、ということ)など、それぞれの雑誌の特性が良く表れている。
もっとも、二つのグラフを見返せば分かるように、一部を除けば確実に低迷・漸減方向にあることに変わりは無い。【1か月の購入金額は117円!? 週刊誌や雑誌、書籍の支出額(2011年11月版)】や【週刊誌や雑誌、書籍の支出額(総世帯版)(2010年分まで反映)】にもある通り、消費者における雑誌の購入性向は確実に減少を続けている。さらにビジネス・マネー系の分野では、インターネットでの情報取得優位性が大きいため、紙媒体の雑誌の不利さは他ジャンル以上。
このような厳しい市場環境の中、各誌がどのように生き残り・躍進策を模索、実践していくのか。その可能性に期待したいところだ。
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