震災後に日本を襲ったさまざまな出来事を鋭く、分かりやすい視線で描く「僕と日本が震えた日」3月2日に発売決定
2012/02/08 12:10
徳間書店リュウコミックス編集部は2012年2月7日までに、同編集部が現在ウェブ上で展開している【コミックリュウウェブ】の連載漫画のうち、鈴木みそ先生が描く、東日本大地震・震災のルポルタージュ(記者などが自ら取材した内容を報告するスタイルの「報道」。現地報告)コミック『僕と日本が震えた日』の『単行本「僕と日本が震えた日」』を、同年3月2日に発売することを明らかにした。定価620円。
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↑ 僕と日本が震えた日
今連載漫画は、鋭く、そして分かりやすい視線と描写で物事を切り開いて解説していく「ルポルタージュ系漫画」を描く漫画家として知られている鈴木みそ先生が、去年の夏以降今年の3月まで紙媒体としては休刊しているためにウェブ上で各種連載が続けられている「コミックリュウ」(ウェブ)で連載をはじめたもの。
第一話で作品のいきさつが語られているが、「細部にある、大事な、等身大の被災状況」が、先生自身の経験談・体験談として説明されていくスタイルをとっている。なお「連載時における」原稿料は全部義援金として提供されているとのこと。
今作品でスポットライトが当てられた「現状」は、震災報道であまり伝えられることの無い千葉・浦安の被害状況に始まり、出版業界と震災との関わり、経済問題や為替、さらには昨今ますますスポットライトを浴びる放射線や内部被曝の話など。いずれも大手メディアではあまり触れられない、しかしながら気になる、正しい情報を求めている人が多い人には非常にありがたい内容が、分かりやすい文面とビジュアルで解説されている。
特に昨今の放射線周りの話は、これまで多分にタブー視されてきたため、予備知識の段階で挫折する、習得していない人が多いことから、欺瞞(ぎまん)情報や「あおり」的な話に惑わされている人が少なからずいるのが現状。そのような状況が事態の混乱に拍車をかけていることを考えれば、今件のような「読み解くハードルが低い、正しい情報の集積書」は、珠玉の価値がある。
なお【鈴木みそ先生の話】によれば、単行本ではウェブへの掲載が間に合わなかった話や、描き下ろしも24ページほど掲載されるとのこと。ウェブ上での連載を毎回読み進めていた人にも、さらに新たな話との出会いが楽しめる構成となっている。
鈴木みそ先生のファンはもちろんだが、震災周りや放射線関連でどことなく不安を覚えている人は、是非一度目を通して欲しい作品といえよう。
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