ちぎりパン(敷島製パン/セブンイレブン)

2012/02/05 19:30

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ちぎりパンGarbage Shot」第百六十八回。今回は先に【敷島製パンから6つにちぎれる食卓パン「ちぎりパン」登場】で紹介した、敷島製パンの「ちぎりパン」、そしてそれに関連する形で、姉妹サイト「ライトニング・ストレージ」にて紹介した、セブン-イレブンのプライベートブランドの1商品として発売されている「ちぎりパン」を紹介していく。



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↑ ちぎりパン(敷島製パン)。
↑ ちぎりパン(敷島製パン)。

すでに「ちぎりパン」の商品発売に関する記事で触れている通り、食品業界では数年前の「メガ・ギガブーム」とは相反する形で、小口化や少量パッケージ化が一つの流れとして確認できる。これは少子化・小家族化・高齢化という小売市場の変化、需要に応じるものであり、同時に消費者全体の消費性向の変化(量より質)にも対応している(先の【「高品質を少しだけ」ローソンの新スイーツシリーズ第一弾は「ぎゅっとクリームチーズ」】も好例)。

今回敷島製パンから発売された「ちぎりパン」は、パンそのものとしては「くぼみを作りちぎりやすくする」という点ではさほど目新しくないものの(クリーム、チョコ、アンパンをあわせた「三色パン」が好例)、ノーマルの食卓パンでその仕組みを採用したこと、細かく分割できることを特徴としてアピールしている点などが、注目に値する。

↑ ちぎりパン(上)と、実際にちぎった様子(下)
↑ 実際にちぎった様子(再録)

ちぎった後の一つ一つのブロックはほぼロールパンの大きさ(65×80×55ミリ程度)に匹敵する。「はじめからちぎった程度の大きさに裁断する、あるいはロールパンを調達すれば良いではないか」との意見も出てこようが、「生地をつなげて表面積を通常のロールパンよりも少なくすることで、焼き上げた後、パン生地の中に水分が多く残り、ふんわり・しっとりとした独特の食感」を出すことを画策している。実際に食してみれば分かるが、もちもち感が多分に出ており、妙なクセもなく、優しい甘味が心地よい。生地のボリューム感もあり、確かな食感を楽しめる。

リリースでは「子供のおやつ用としても適している」とあるが、むしろパッケージのシンプルさ、落ち着いた色合いを見る限り、壮齢者以降をメインに据えている感はある。【高齢者も「ご飯よりはパン」・朝食はパン派が優勢】【3割が「毎日パンを食べますよ」、歳を経るほど「パンが大好き」】などにもあるように、朝食は時間や手間のこともあり、ご飯よりはパンを食する「朝パン派」が優勢。あえて「ちぎって食べる量を調整できる」を全面に押し出した今件「ちぎりパン」は、そのようなパンを望む層には大きなポイントとなるに違いない。

一方「ちぎって食べやすくする」という仕組みは、他の菓子パンにもいくつか導入されている。そのまま名前もズバリ「ちぎりパン」という商品が、セブンイレブンのプライベートブランドとして販売されている(【ちぎりパン(セブンイレブン) 試食】)。


↑ ちぎりパン(セブンイレブン)。
↑ ちぎりパン(セブンイレブン)。

こちらも「小さくちぎって食べやすくする」という目的のため、くぼみなどが配されている。ただしあくまでもメインが中に盛り込まれたバニラ・チョコクリームで、生地にはあまり注力が注がれていないように見える。敷島製パンの「ちぎりパン」と比べて、ぱさぱさ感は否めない。チョコやバニラクリームを食する手段的なもので、子供のおやつにはむしろこの方がよいかもしれない。

敷島製パンの「ちぎりパン」のように、間接的に壮齢者・小家族へと視点を合わせた商品は、今後も色々と登場することが容易に想像できる。食品小売の窓口として地域社会に浸透している、スーパーやコンビニの商品動向と合わせ、今後も注目していきたいところだ。



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