被災地での住宅選び、最重要項目は「耐久性・長寿命」、耐震性も7割超に
2012/02/05 07:10
【セルコホーム】は2012年1月30日、東日本大地震・震災の被災地における、生活や防災に関する意識調査結果を発表した。それによると調査母体において、今後の住宅取得の際に大切だと思う事柄としては、「耐久性・長寿命」を挙げる人がもっとも多く、全体比で8割近くに達していた。次いで「節電・省エネ」「耐震性・躯体・工法」が7割超で続いている。また、既婚者は未婚者と比べるとコスト意識や居住快適性の点で、より強い要望を抱いていることがうかがえる(【発表リリース】)。
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今調査は2012年1月6日から11日にかけて、青森県・岩手県・宮城県・福島県・茨城県在住の15-69歳の男女に対して携帯電話を用いたインターネット調査によって行われたもので、有効回答数は2000人。男女比は1対1、年齢階層比は男性15-19歳223名・20代262名・30代265名・40代以上250名、女性15-19歳238名・20代268名・30代266名・40代以上228名。調査実施機関はネットエイジア。
先に【「住まい」の重要度アップ8割弱、家族間のつながり強化6割…被災地の震災後の生活スタイルの変化】で示したように、被災地在住なのも多少は影響してか、震災を経て物理的・建造物としての「住まい」に対する関心度・重きが非常に高まっている。
↑ 「震災」後の生活スタイルや家族とのコミュニケーションに関する意識(再録)
そこで今後住宅を選ぶ、建てる際に、どのような事柄を重視すべき、大切だと思うかについて聞いたところ、もっとも多くの人が同意を示したのは「耐久性・長寿命」だった。79.4%、ほぼ8割の人が、自ら住む住宅を選ぶ時には、耐久性や寿命の長さが必要だと考えている。
↑ これからの住宅選びで大切だと思う事(複数回答、上位十位)
次いで多くの人が求めているのは「節電・省エネ」。現在進行形で電力需給問題が生じていること、特に被災地では昨夏の豪雨で水力発電所の多くが被害を受けており、他地域よりもさらにひっ迫した電力事情にあることから、切実なものがある。そして「耐震性・躯体・工法」(躯体:建物の骨組み、構造基幹部分)は先の「震災」を受けてのものであることは言うまでもない。
また、回答を既婚者・未婚者別に再整理すると、既婚者は未婚者と比べてコスト面、そして湿気周りに強い関心を寄せているのが分かる。
↑ これからの住宅選びで大切だと思う事(複数回答、上位十位)(未既婚別)
何かと出費がかさみ、また主婦は室内で生活する機会が増える既婚回答者は、快適性に加えてコスト意識が一層高まるようだ。湿気周りも間接的にはコストに結び付くため(湿気対策を怠ると室内の痛みが早く、結局コストが割高になる。もちろん健康面にもマイナス)、概要的には「コスト意識の強化」と表現してよいだろう。
元々建売りなどで購入した住宅は、何年ではなく何十年ベースで時間を過ごすことを前提とする。コストや居住性はもちろん、昨今の状況に対応する形で、耐震性やエネルギー周りにも気を配る必要がある。住む人自身で一からデザインをする事例を除けば、業界側はこれらの需要に合うものを提供してほしいものだ。
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