男性シニアの料理、気にするのは「メニュー」「作り方」そして「量」
2012/01/27 06:30
ドゥ・ハウスは2012年1月25日、男性シニア世代(60-70代)における食生活の調査結果の一部を発表した。それによると調査母体のうち日常生活の中で料理を作っている5割強の人において、料理をつくる際にもっとも気にしていることは「メニュー」だった。ついで「作り方」「量」が続いている。一方で食材など料理用の買い物をする時の基準は、最重要項目として「自分や家族の好み」が挙げられ、「好きなモノを食べたい・食べさせたい」という願望が料理への動機の一つとも受け取れる結果が出ている(【発表リリース】)。
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今調査は2011年11月にドゥ・ハウスのインターネットリサーチモニター会員のうち、首都圏在住の60-70代男性に対して行われたもので、有効回答数は507人。同居人の居る・居ないは問われていないため、一人暮らし・夫婦世帯・二世代や三世代世帯混合による調査母体と推測される。
今調査によれば、回答者の60-70代男性のうち55.4%が、自分で食材を使って料理をつくる機会があると答えている。
↑ 食材(肉、野菜、調味料など)を使って自分で料理をつくることがあるか(再録)
お湯を入れて三分間待つ、パッケージをお湯につけてしばらく温める、電子レンジに入れて解凍するなどだけなら今件の「料理」にはあたらない。
さてこの「自分で食材を使って料理をつくる機会がある」人達において、料理をつくる際、どのようなことを気にしているだろうか。複数回答で聞いた結果が次のグラフだが、もっとも多くの人が気にしているのは「メニュー」、つまり料理の種類だった。
↑ 料理をつくる際に気にすること(複数回答、料理をする人限定)
「チャーハンが簡単だから」「コロッケのメイン材料のジャガイモが安いとの話なので」では無く、「ギョウザとシューマイが好き。今日はギョウザにしようか」のように、「食べたい、好きな料理」の中から選んでいくようすがうかがえる。
ついで多いのは「つくり方」、そして「量」。この二つは実際に調理をして食する際のハードルを示している。例えどれほど自分が好きでも、調理に数時間もかかる、あるいは難易度が高くて自分では上手く作れそうにないものは、避けざるを得ないのが現実。また「量」は回答世帯の少ない消費量とを天秤にかけて、「安いが買っても余らせてしまう」などの懸念が大きな選択要因であることがうかがえる。
料理用の食材を買う際の基準も、思惑は「つくる際に気にしていること」とほぼ共通している。
↑ 料理用に買い物をする際の基準(複数回答、料理をする人限定)
「お値打ち」であることにこしたことは無い。そして「作りやすさ」は材料選択の際にはあまり検討されないものの、「好きなもの」「量」の要素が大きく影響しているのが分かる。特に「量」は「自宅の在庫状況」「量」双方に影響を与えるもので、シニア層には小さからぬ要素となっているのが分かる。たとえキャベツが1個100円と大安売りをしていても、自宅にまだ1/4個程度キャベツが残っていたら、「安いけど買っても腐らせてしまうかも」と購入を躊躇するのは、容易に想像がつく。
リリースでは具体的な回答事例として、買い物の際の男性シニア層の悩みがいくつか列挙されている。簡単にまとめると、
・商品の注意書きが分かりにくい、小さくて読みにくい。
・欲しいモノの売り場が分からない。
など、「シニア対応」の面でお店側の改善余地があることがうかがえる。
もちろんシニア向け「のみ」ではお店そのものがアンバランスになりかねないが、例えば「適切な量のパックが無い」は一人暮らし世帯が増える昨今では、老若男女を問わず需要が増加している。これまでとは視点を変えた商品開発が求められよう。また、販売価格帯の上で必然的に少量販売が多くなる「100円ショップ」にシニア層の人気が集まるのも、この「量」の問題が一因なのかもしれない。
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