高い女性の結婚意欲、しかし…結婚意向と不安(2011年子供・子育て白書版)
2012/01/19 12:10
内閣府が2011年6月17日に発表した「子ども・子育て白書(旧少子化社会白書)」では、主に結婚関係や子供の要因の点から、各種調査結果をとりまとめ、さらに対応する政策などがまとめられている。当然、昨今の子育て問題などを網羅しており、検証に役立つ指標が数多く盛り込まれている。今回は未婚者における結婚意欲と、その意欲をつまづかせ得る不安要素について、過去の同白書の内容を基に執筆した記事をベースに、最新の値を反映させ、直近の状況を見て行くことにする(【「子ども・子育て白書(旧少子化社会白書)」】)。
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未婚者における結婚意欲(将来結婚したいと考えている)を持つ人は男性83%、女性90%とかなり高い割合を示している。女性が男性よりも結婚意欲が強いあたりも含め、別調査機関の結果【未婚男女の結婚意欲を詳しく(2010年分反映版)】とも一致しており、信ぴょう性は高い。
↑ 将来結婚する意向(未婚者)(2011年)
また男女とも20代より30代の方が「強い結婚意欲」「結婚意志無し」の双方が増えるのは、「歳を経る過程で、実際に結婚した人が回答母体から外された」「諦めと焦りの双方の心境が、経年で積み重なった」などが理由と考えられる。
しかし一方で、結婚生活を送る上での不安もまた、女性の方が強い。
↑ 結婚生活を送る上での不安(未婚者、複数回答)(2011年)
特に「嫁・しゅうとめ問題」「介護問題」「子育て問題」など、女性が直接、強く関わる問題での不安要素が大きい。男性では経済問題への不安が一番なのは以前【結婚したいがアレが邪魔…未婚男女が頭を抱える、結婚のハードルとは?】で別調査機関の結果にてお伝えした通りだが、今件では女性独自の不安要素のうち「配偶者の親族との付き合い」への不安を訴える声が経済問題以上となっている。元々以前と比べて親族づき合いそのものが希薄となりつつある現代。結婚したとはいえ、血のつながりの上では赤の他人とも表現できる「不特定多数の第三者」との関係に、不安を覚えるのも仕方が無い。
白書でもまとめられているが、このような不安要素の高まりが、結婚意識そのものが強くても、結婚を思いとどまらせる・意志をつまづかせる要素となる。晩婚化、さらには少子化問題とも浅からぬ関係があるだけに、可能な項目に対しては何らかの手立ても必要とされよう。
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