高齢者もモバイルでメッセージのやり取りを…米携帯端末の音声通話やメッセージ送受信の動向
2012/01/16 05:55
アメリカ合衆国の調査会社の一つ、ニールセンは2011年12月15日に、同国内におけるモバイル端末の利用状況をまとめた無料公開レポート【State of the Media: The Mobile Media Report】を公式サイトに掲載した。そのレポートではスマートフォンの浸透など、同国のモバイル市場が大きな躍動を遂げるようすが描かれている。今回はその中から、一般携帯電話・スマートフォン双方を包括したモバイル端末全体における、音声通話やメッセージのやりとり(電子メールやSMS(ショートメッセージサービス=テキストメッセージ))の使用頻度の変化を見て行くことにする。
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今調査のベースとなる数字は毎月2万5000人・年間のべ30万人を対象にしている、同国内での調査結果を元にしている。最新のデータは2011年第3四半期(Q3)時点のもの。
まずは携帯電話(今件では一般の携帯電話とスマートフォン双方を意味する)における二大機能、音声通話とテキスト系メッセージの利用性向について。2年前の2009年時点のものと、直近の2011年との比較をグラフ化したのが次の図。
↑ 1か月あたりの携帯電話利用者における、各仕様の利用性向(アメリカ)
まず直近の値を見ると、女性は男性よりも通話・メッセージ共に利用性向が上。大体男性の3割増しが女性の値となる。女性の802回/月という値は、1日あたり約27回。送受信合わせてなので、1日13-14往復のメールのやりとりをしている計算になる。
次に2年前と比べると、男女とも「通話が減る」「メッセージが増える」動きを見せている。携帯電話は言葉通り「携帯」する「電話」だが、相手の拘束度が低いことや気軽さなどから本来の主機能である通話が減り、メッセージが増えていく。音声通話の必要が無くなることは無いが、今後もこの傾向「通話減、メッセージ増」はさらに強まるだろう。
メッセージの送受信頻度について世代別に見ると、当然ながら若年層の方がやりとりの回数が多い。
↑ 1か月あたりの携帯電話利用者における、テキスト系メッセージの送受信数(アメリカ、世代別)
↑ 1か月あたりの携帯電話利用者における、テキスト系メッセージの送受信数(アメリカ、世代別)(2009年-2011年における各世代別増減率)
直近ではやや減少の動きがあるが、それでも13-17歳は平均で月3400通ものメッセージを送受信している。1日換算で113.9通。57回往復ものやりとりを、いったいどこ・誰としているのか、気になるところだ。
世代別では歳を経るほど数は減り、調査期間別では最新に近づくほど増えていく。一部の例外を除き、この法則が当てはまる結果が出ている。一見すると高齢層の送受信数は少ないように見えるが、伸び率はむしろ高齢層の方が高い。56歳以上ではこの2年で、実に2倍以上に増加している。高齢層も積極的にデジタルな意志表示を手がけるようになったことがうかがえる。
一般の携帯電話よりも入力がしやすいスマートフォンは、高齢層にも確実に浸透しつつある(【モバイル保有者の6割強がスマートフォンの世代も…アメリカのスマートフォン浸透率の推移】)。それと共に同世代でも少しずつ、メッセージの利用率も増えてくるのだろう。
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