若年層はアンドロイドがやや多め…米スマートフォン所有者のOSシェアとウェブ利用性向

2012/01/15 12:00

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スマートフォンアメリカ合衆国の著名調査会社ニールセンは2011年12月15日に、同社公式サイトにて、同国のモバイル端末の利用状況をまとめた無料レポート【State of the Media: The Mobile Media Report】を公開した。そのレポートではスマートフォンの浸透など、同国のモバイル市場が激変しつつある様相を把握できる。今回はその中から、スマートフォンのOSシェアと、主要OSである「Apple iOS」「Android」利用者双方におけるウェブサイトの利用性向の違いについて見て行くことにする。



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今調査の基礎となる値は、毎月2万5000人・年間のべ30万人を対象に行っている、アメリカ国内での調査結果が元。最新のデータは2011年第3四半期(Q3)時点のものである。

以前【モバイル保有者の6割強がスマートフォンの世代も…アメリカのスマートフォン浸透率の推移】で解説したように、アメリカではモバイル端末所有者の4割強がスマートフォンを持っている。該当世代全体の普及率としては約4割。

↑ モバイル端末所有者におけるスマートフォン所有比率(アメリカ)
↑ モバイル端末所有者におけるスマートフォン所有比率(アメリカ)(再録)

それでは具体的には、どのOSを搭載したスマートフォンを保有しているのだろうか。全体ではAndroid OSが44.2%、Apple iPhone OSが28.6%、RIM Blackberryが17.0%の順などとなっている。これを主要世代別に区分し、再計算したのが次のグラフ。

↑ スマートフォン所有者におけるOS構成比(2011年8-10月、アメリカ)
↑ スマートフォン所有者におけるOS構成比(2011年8-10月、アメリカ)

Androidが4割強、Apple iOSが3割前後の構図はどの年齢層でも変わりない。一方ビジネス用としてかねてから使っていた人が多いこともあり、45-54歳層を中心に中堅層ではRIM Blackberryのシェアが上昇、最大で24%に至っている。この世代ではほぼApple iOSと変わらないシェアを確保しており、やや驚きの値ともいえる。

レポートでは「若年層ほど二強OS、高齢層ほどその他独自のシェアが高い」とだけ解説しているが、このグラフを見る限りではその傾向は45-54歳の「RIM Blackberryシェアが高い層」までで、それ以降は二強OS、特にApple iOSのシェアが上昇する動きを見せる。多分に、これまでスマートフォンなどのデジタル機器に疎かった高齢層が、はじめてチャレンジする際に、特に操作性が易しいと評判のあるApple iOSを選びやすいからだと思われる。

「Apple iOSの方が初心者に易しい”ように見える”」「”との評判”」、そこから連なり「Apple iOS端末には初心者が集まりやすい」傾向は、各OSを持つスマートフォン所有者の、ウェブサイト利用性向にも現れている。

↑ 各スマートフォン所有者における過去30日間でのウェブサイト利用性向(各OS上位5位、2011年9月、アメリカ)
↑ 各スマートフォン所有者における過去30日間でのウェブサイト利用性向(各OS上位5位、2011年9月、アメリカ)

探し物をするためにGoogleを使う傾向がもっとも高いのは双方とも同じ。傾向が異なるのは2位以降で、Apple iOSではFacebookの利用者が9割近くを占め、Googleの利用に迫る勢い。そしてTwitterの利用が6割を超えており、「検索をする」以外は「ソーシャルメディアの利用ツール」としてスマートフォンを主に活用しているのが分かる。

一方Androidでは2位がFacebookで同じだが、比率は6割強まで落ちる。そしてYahoo! 、Wikipedia、YouTubeと多種多様な方面へ手を出している様子がうかがえる。今グラフでは上位5位ずつまでしか載せていないが、レポートには10位ずつまで掲載されており、両OSの同一順位では3位以降の該当者率が2倍前後も違っている。

つまり「Apple iOSの利用者は同じような(初心者向けの)サイトを使うことが多い」「Android OS利用者は多種多様な趣向を元に活用しており、集計値としてあまりまとまらない」のが分かる。例えるなら、専門店で購入するか、量販店で買うかの違いといったところか(もちろん優劣をつけているわけではない)。

スマートフォンを使うようになると、一般の携帯以上にソーシャルメディアの利用時間が長くなるという話をよく耳にする(【ツイッター利用率は約4割…スマートフォン利用者はソーシャルメディアを良く使う】)。Apple iOSのスマートフォン、具体的にはiPhoneでは特に、スマートフォンの利用とソーシャルメディアへのアクセスに強い結びつきを持つ人が多いようだ。



やや蛇足であるが、逆に特定項目の比率を見た場合、「YouTube」はApple iOSが37%、Android OSが24%で、前者が13ポイントほど高い値を示している。動画視聴という観点でも、iPhoneの方が利用性向が高いことがうかがえる。思い当たる節がある人も多いのではないだろうか。



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