【更新】食料備蓄と、賞味期限が切れた缶詰と
2012/01/04 12:10
以前【「パスタ」や「そば」が対新型インフル備蓄食に向いている件について】などで解説したように、数年前の新型インフルエンザの流行と対策の検証をきっかけに、世帯ベースでの食料備蓄について興味関心を抱くようになり、研究も兼ねて色々なものを備蓄するようになった。昨年の震災ではそれが大いに役立ったのだが、昨今になって一つ大きな問題が生じている。それは賞味期限切れの缶詰が出始めたということだ。賞味期限が切れた缶詰はどのような対応をすれば良いのか。少し調べることにした。
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↑ 賞味期限の切れた缶詰。2011年6月・8月の日付が確認できる
【「まだまだ食べられるのだ」バカボン一家と一緒に消費・賞味期限を学ぼう】や【「消費期限」と「賞味期限」の違いとは?】などにもあるように、食品などの期限表示は「消費期限」と「賞味期限」の2種類がある。前者は生モノがメインで5日未満・過ぎたら基本的にアウト。後者は生モノ以外がほとんどで5日超・過ぎてもすぐに食べられなくなる訳ではない(味わいの保証が出来ないだけ)。
缶詰のことは缶詰の専門業界・団体に聞くのが一番……とばかりに、【日本缶詰協会】のサイトを確認したところ、その中の【Q&Aページ】にてそのものズバリ、「賞味期限が切れた缶詰は食べられますか?」の項目があった。それによると、賞味期限の定義を説明した上で、
・味わいの低下はともかく、食品としての安全性や衛生面で問題は無い。
・ただし缶詰の保存に不適切な環境(高温多湿)では品質劣化が早く、食品の安全性が失われている可能性がある。
・直射日光が当たる場所、湿気のある場所を避け、温度変化が少ない場所で保存するのが望ましい。
などと解説している。その上で、次の3点「缶詰の中身が劣化しているシグナル」を挙げ、このような状態が確認できる缶詰については、注意を払った上で廃棄するよう勧めている。
(缶自体が腐食して穴(ピンホール)があき、そこから空気や水分とともに微生物が侵入している場合が考えられる
2.缶のふたがふくらんでいないか
(1.の理由などにより侵入した微生物が増殖するときに、その代謝としてガスを発生させていることが考えられる)
3.缶のふたを指で押すとペコペコとへこまないか
(1.や2.を起因)
確かに古い缶詰はこのような見た目になるものが少なくない。「少々ふくらんでいても大丈夫かな?」ではなく、ふくらんでいる形状そのものが「食べられない」証ということだ。
逆に(同コーナー別項目【5. 缶詰を買うときに注意することはありますか?】でも触れているが)、缶詰を買う際の留意点としても、これらの3項目は有効なチェックポイントとなる。簡単なことだが覚えておくと、今後のお買いものの際に役立つはず。
なお大幅に賞味期限切れを起こした缶詰の試食レポートは、[賞味期限のQ&A 保存状態で安全性に差・判断は自己責任で(朝日新聞)]や[体当たり! 味見実験(読売新聞)]どでも確認できる。ケースバイケースではあるが、一例として目を通しておくと将来役立つに違いない。
当然のことだが、一番なのは賞味期限内に消費しきること。ただし「賞味期限を過ぎたから即廃棄」との行動を取るのは、あまりにも気が早すぎる、そしてもったいないという次第である。
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