「週一以上でテレビ視聴」9割・欧米主要国のメディア利用性向
2012/01/03 12:00
昨年の12月28日の記事【世界主要国のテレビ視聴時間】でも解説しているが、イギリスの情報通信庁は2011年12月14日に【レポートページ】内で、世界各国の通信業界・メディア動向を集約したレポート【International Communications Market Report 2011(PDF)】を発表した。ヨーロッパ、中でも発信元のイギリス中心の内容ではあるが、有益なデータが多数盛り込まれており、注目すべき内容である。今回はその中から「欧米諸国における、新聞や雑誌購読も含めた広範囲な主要メディアに対する利用性向」を見て行くことにする。
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同レポートでは先の記事【世界主要国のテレビ視聴時間】にあるように、諸国でテレビの視聴時間が伸び、利用性向が高まりを見せていることも伝えている。
↑ 主要国テレビ視聴時間(2009年-2010年の変移)(再録)
それでは日常生活上に存在しうる、多種多様なメディアに対する利用実態はどのような状況なのだろうか。「少なくとも週一以上で使っているか否か」についてデジタル家電だけでなく、一部紙媒体をも合わせ尋ねた結果が次のグラフ。
↑ 少なくとも週一以上で使っているメディア
先に別記事で「主要国のスマートフォン所有・利用率は約5割」と記したが、常用している率もほぼそれに等しく、稼働率の高い使われ方をしているのが分かる。単純な携帯電話利用率ではイタリアがやや抜きんでているが、これは以前【インターネットと携帯電話の普及率を世界の他国と比べてみる】でも触れている通り、同国の積極的な携帯電話の利用性向(他人とのコミュニケーションを好む国民性も反映されているのだろう。今調査別項目F 1.18-19でも、同国は他国から抜きんでソーシャルメディアの利用性向が高いことが伝えられている)がそのまま数字化されたものと思われる。
所有・利用率という点ではテレビ視聴率もほぼ同じ。テレビ視聴ができる環境にある世帯では、テレビがホコリを被ることなく、常用的に使われていることが見て取れる。
他方、紙媒体の利用率は押し並べて低い。よくて精々5割程度。特に一般の新聞購読(他項目から判断するに「全国紙」を意味する)率は低く、地方紙の方が高い。全国規模の情報はテレビ、そしてインターネット経由で取得するライフスタイルに移行しつつあると考えれば、納得もいく(この動きは日本ですら起きている)。
元資料では「テレビき歴史的に観ても従来からもっともメジャーなメディアであることに違いは無い」「そのテレビと同程度の利用性向を見せたパソコン・ノートPCへの利用性向の高さは注目に値する」と評している。また新聞の利用性向が国ごとに大きな違いがある点については、「国ごとの地方紙・全国紙の普及状態や扱われ方の違いが、そのまま全国紙の利用性向に反映されている」と説明されている。元々地方紙の影響力が強いアメリカでは、必然的に全国紙の利用性向が低くなるということだ。
ともあれ、日本国内でも各項目についてはいくつかの調査機関が別個に利用性向に関するレポートを出している。それらと比較してみると、国ごとの違い、そして興味をそそる傾向が見えてくるかもしれない。
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