子供のゲーム機やパソコンで遊ぶ時間の変化

2012/01/02 06:54

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ゲーム機で遊ぶ子供厚生労働省は2011年12月21日に、2009年度版となる「全国家庭児童調査結果の概要」を公開した。この調査は全国の家庭内児童、そしてその世帯の状況を把握し、児童福祉行政の推進に必要となる各種資料の取得のために5年周期で行われているもので、1999年度以降現時点では今回発表分もあわせ、全3回の記録が確認できる。今回はそのデータの中から、「子供達が1日のうちどれほどテレビゲーム(据え置き型ゲーム機・携帯ゲーム機。携帯電話やスマートフォンは含まず)やパソコンで遊んでいるか、その長さ」について見ていくことにする(【発表リリース】)。



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調査要件については先の2011年12月25日に掲載した記事【父の単身赴任増加中? 子供がいる世帯の父母同居状況】にて説明済み。そちらで確認してほしい。

携帯電話系を除いた家庭用ゲーム機、そしてパソコンを使ったデジタル系のゲームで、子供達は毎日どれぐらい遊んでいるのか。今調査母体では「一日3時間以上遊んでいる」と答えた人は8.7%。良く言われる「ゲームは一日1時間」にマッチする形で「1時間より少ない」の人は22.7%。一方で「ほとんど遊ばない」と答えた子供も28.1%確認できた。

↑ 1日のうちテレビゲームやパソコンで遊ぶ時間の構成割合(2009年)
↑ 1日のうちテレビゲームやパソコンで遊ぶ時間の構成割合(2009年)

男女別では男性の方がゲーム好きで長時間遊んでいる、世代別では低学年ほど遊ぶ時間が長いのが分かる。高校生では35.0%もが「ほとんど遊ばない」と答えている。ただし「3時間以上」の回答者率は世代別に限ると高校生の方が値が大きく、「高校生では大勢がゲーム離れを起こしているが、ごく一部・ゲームに没頭する派も増える」となり、両極端に分かれるようすがうかがえる。

前回調査2004年における同様項目の結果を見ると、濃い青の「ほとんど遊ばない」が2009年の結果よりも多く、「ゲーム機を持っているが遊んでいない子供」の比率が減っていることが確認できる。

↑ 1日のうちテレビゲームやパソコンで遊ぶ時間の構成割合(2004年)
↑ 1日のうちテレビゲームやパソコンで遊ぶ時間の構成割合(2004年)

「ほとんど見ない」「3時間以上」層の動きだけでも「2004年と比べて2009年では多少ながらもゲームで遊ぶ時間は増えている」雰囲気がつかめるが、それを確証付けるため、各時間区分の中央値を元に概算平均値を算出し、2004年と2009年の値を比較しやすくしたのが次のグラフ。「ほとんど遊ばない」「持っていない」はゼロとして計算している。

↑ 1日のうちテレビゲームやパソコンで遊ぶ時間・概算平均値(時間、2004-2009年)
↑ 1日のうちテレビゲームやパソコンで遊ぶ時間・概算平均値(時間、2004-2009年)

男女別では男性がわずかながら減少、女性は大幅に増加している。各世代ではそれぞれ伸びているが、その多くが女性起因であることが分かる。

先に【「子供のテレビ離れ」…子供のテレビやDVD視聴時間】で子供のテレビ視聴時間が減少していること、いわゆる「子供のテレビ離れ」が起きている件を解説したが、その一端がこの「主に女性で伸びている」「ゲームで遊ぶ時間の増大」にあると見て良いだろう。

テレビゲームは別記事で解説する携帯電話と異なり、テレビを視聴しながらプレーするという「ながら視聴」がしにくい(テレビ画面を流用していればそもそも不可能)。ゲームのプレー時間の増大は、そのままダイレクトにテレビ視聴時間を削っていると見て問題はあるまい。



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