世界各国の学歴別SNS利用率

2011/12/29 06:32

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学歴アメリカの調査機関【Pew Reserch Center】は2011年12月20日、携帯電話やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の利用に関する世界各国への調査結果を発表した。今回はその中から「学歴別」SNSの利用率に関する部分を抽出し、グラフの構築を行うことにする。各国のSNSの浸透における、学歴との関連性をかいま見ることができよう(【Texting, Social Networking Popular Worldwide】)。



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今調査の最新版データは21か国それぞれの18歳以上の大人に向けて直接相対・電話経由で2011年3月-5月にかけて行われたもので、回答数は各国約1000人(但し中国は3308人・インドは4029人と多め)。中国の結果以外は各国の国勢調査のデータに基づいたウェイトバックが行われている。

今調査母体のうちインターネットを利用しているか否か、しているならばSNS(一般的にはFacebookだが、質問している国で主流のSNSをも併記している)を使っているか・使ったことがあるか否かについて尋ねた結果が次のグラフ。インターネットを使っていなければ当然SNSも使えないわけだが、国によって大きな違いがあるのが分かる。

↑ SNSを使っているか
↑ SNSを使っているか(再録)

そして世代別の利用率を示したのが次のグラフ。全般的に「若年層ほど利用率が高い」のに違いは無いが、各国で世代間格差には大きな開きが見受けられる。トルコやレバノン、インドネシア、メキシコなどでは30・40代の利用率は20代までと比べて半分に満たないが、アメリカやイギリス、イスラエル、日本などでは20代の比率の7割を超える30・40代の人達が利用している。エジプトに至っては比率上は20代までの割合を超えた比率の30・40代がSNSを利用していると出ている。

↑ 世代別SNS利用率(各世代の全体比)
↑ 世代別SNS利用率(各世代の全体比)(再録)

それでは学歴でSNS利用率に差が生じるのか、というのが今回のメインテーマ。大学の前後で区分し、高卒・それ以下と大学(卒)・以上のそれぞれで、SNS利用率を算出したのが次のグラフ。なおヨルダン、インドネシア、メキシコ、ケニアは調査母体における大学卒者数が100人に達せず、統計値として有効な値を算出できないとして、掲載はされていない。

↑ 学歴とSNS利用率との関係(各区分全体比)
↑ 学歴とSNS利用率との関係(各区分全体比)

世代間格差と似たような傾向を持つ国が複数確認できる。すなわち、アメリカ、イギリス、イスラエルは学歴によるSNSの利用率差異はあまり無い。他にドイツなども似た動きを見せる(レポートでは「西ヨーロッパ諸国では学歴差はあまり見られない」と表現している)。

一方でポーランドやレバノン、中国、インド、パキスタンなどは、学歴による利用率差異が大きいのが分かる。特にエジプトや中国はその傾向が強い。多分に「ある程度財力に余裕を持つ人でないと大学に通う機会を得られにくく、その人達は必然的にインターネットを使う環境を有する比率が高い。そしてSNSに触れる機会も多くなる」パターンに当てはまる感はある。ハイソ、あるいはエリート層と呼ばれる人達のイメージだろうか。

特にエジプトは二つ目のグラフ「世代別SNS利用率」でも「30-49歳の利用率が一番高い」という特異な値を示している。高学歴(そして恐らくは比較的裕福)で30-40歳代の人達が、SNSを積極的に利用しているとの状況が容易に想像できる。そして昨今の同国での政治上の騒乱を考えれば、この層がメインパワーとなり活動していることも考えられよう。


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