低下する嫌戦意識・特に若年層で増加する「日本人としての誇り」
2011/12/23 06:53


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今調査結果は2010年11月-12月にかけて、日本全国18-79歳の男女を層化多段無作為抽出(18、19歳は割当法)で抽出した上で、訪問留置法によって行われたもの。有効回答数は2443人。
思考ゲーム的な話として、「もし戦争になったとして、進んで日本のために戦うか否か」を聞いた結果が次のグラフ。1990年がややイレギュラー的な動きを見せているが、大体1割5分から2割が賛同している。今世紀に入ってからは1割5分でほぼ固定状態。

↑ もし戦争になったら進んで日本国のために戦うか
興味深いのは1995年以降「いいえ」の値が漸減し、特に2005年から2010年にかけては大きく値を減らしたことで、「分からない」の回答者率が「いいえ」をも超してしまったこと。これは1990年来の出来事なのが確認できる。世界情勢が不安定な昨今では、自国への防戦意識も変化をとげていく(少なくとも反発心を持つ人は減る)ということか。
自己防衛の忌避意識の減退も関係しているかもしれないが、「日本人としての誇り」を感じる人も増加する傾向を見せている。前世紀末までは微減する動きだったが、今世紀に入ってからはむしろ増加し、直近では1981年以降の最高値を示している。

↑ 日本人として誇りを感じるか
これを年代別・性別に区分した上で、2000年から2010年への変移を観たのが次のグラフだが、どの世代でも増加傾向に違いはないものの、元々低かった30代未満の層で大きな増加が確認できる。

↑ 日本人として誇りを感じるか(属性別)
また、男女別では男性よりも女性の方が値の増加ポイントが大きい。2000年の時点では女性は男性と比べてやや数字的に「感じる」派が少なかったものの、2010年ではむしろ男性以上の値を示している。一方世代別では30代までは大幅に増加し40代の値に追いついたものの、50代以上と比べればまだ低めといえる。
昨今の世界情勢の大きな変化で、今後これらの値がどのように動きを見せるのか。気になるところではある。
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