【更新】プリペイドかポストペイドか…アジア太平洋のモバイル料金支払い方式シェア

2011/12/19 06:35

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アジア太平洋のモバイル世界規模のモバイルオペレーターの業界団体である【GSM Association】が2011年11月16日に発表した、アジア太平洋地域のモバイル加入者(インターネットなどのデータ通信だけでなく、通話、そしてSMSサービス利用者も含む)の動向を書き連ねたレポート「Asia Pacific Mobile Observatory 2011」([http://www.gsm.org/newsroom/press-releases/2011/6570.htm、該当プレスリリース。現在はアクセスできず])を元に、【アジア太平洋地域を中心に世界のモバイル加入者数推移】をはじめとしてデータの抽出やグラフの再構築、考察などを行っている。今回は主要国における「モバイル利用料金の支払い方法のシェア」を見ていくことにする。



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今レポートではアジア太平洋地域該当国として47か国を挙げているが、そのうち人口がある程度以上存在し、モバイル系の情報が精査しやすい、かつ特徴的な性質を持つ17か国を抽出し、それらの国を「AP17」と呼んでいる。今回はその「AP17」を対象とした、モバイル加入者に関するデータである。

まずは料金支払い方法が「ポストペイド(後払い)」か「プリペイド(先払い)」か。【アフリカ主要国におけるモバイル普及率】でも解説しているが、「ポストペイドよりプリペイドの方が初期導入コストは安く済む」「収入が不安定な利用者には、中長期の契約を前提とするポストペイドはなじまない」「利用料金上のストッパーを利用者本人が容易にかけられる(利用後の料金請求で慌てることが無い)」などの事情から、成長が著しい新興国ではプリペイド方式が好んで使われる。

↑ アジア太平洋地域主要17か国におけるモバイルでの支払い方式シェア(2010年)
↑ アジア太平洋地域主要17か国におけるモバイルでの支払い方式シェア(2010年)

プリペイドが圧倒的多数を占めていたアフリカ地域と異なり、「AP17」ではプリペイド主流からポストペイド主流まで、まさに「多種多様」な状況にある。国ごとのインフラ整備事情、経済事情が大いに異なっているのが見て取れる(特に安価でモバイルを使えるという点で、プリペイド方式は大いに貢献している)。ちなみに「AP17」では平均で84%がプリペイドなのに対し、ヨーロッパでは66%、アメリカでは15%とのこと。

また、モバイル普及率をかさ上げするのに貢献する利用料金の安価には、多数企業による競争も重要な要素となる。次のグラフは各国のモバイルキャリア数の推移を記したものだが、ほとんどの国で増加しており、それだけ競争が激化し、料金引き下げ合戦が起きていることが想像できる。

↑ アジア太平洋地域主要17か国におけるモバイルキャリア数(2004年・2010年)
↑ アジア太平洋地域主要17か国におけるモバイルキャリア数(2004年・2010年)

国土が広く人口も多いのも要因だが、インドは15社がひしめき合う状態。当然価格競争も激しいものとなる。これがモバイルの導入ハードルを引き下げ、加入者増を後押ししていく。

もっとも、(グラフは略するが)インドを除けばAP17におけるモバイル市場のシェアは上位キャリア3社で7割以上を占めており、雑多感はあまりない。多くの国では三強がひしめき合う、言葉通り「三国時代」ならぬ「三社時代」の様相を呈している。個々の国の事情を反映したプリペイド・ポストペイドの比率は今後もさほど変化せず、個々の国の個性を活かしたモバイル市場を拡大していくのだろう。



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