結婚を望む人は8割強…独身者の結婚意思の変化(最新)
2025/02/20 02:51


スポンサードリンク
結婚を望む人は8割強
今調査に関する調査対象母集団や集計様式については、出生動向基本調査に関連する先行記事の【日本の「恋愛結婚」「見合い結婚」の推移】を参照のこと。
まずは18-34歳の独身者における「生涯」の結婚意識。設問では「自分の一生を通じて考えた場合、あなたの結婚に対するお考えは、次のうちのどちらですか」とし、「いずれ結婚するつもり」「一生結婚するつもりはない」の2選択肢を提示している。
結果としては8割強以上の高い割合で「いずれ結婚するつもり」と回答している状況に変わりはないが、年々その割合が減少傾向を見せているのが確認できる。

↑ 未婚者の生涯の結婚意思(男性)

↑ 未婚者の生涯の結婚意思(女性)
同時にわずかずつではあるが、「一生結婚するつもりは無い」とする回答値が増加しているのも分かる。直近発表分では特に女性が6.6%ポイントのプラスと大幅に増加を示している。それらの動向を見る限り、2005年に気配として感じられた「結婚離れの後ずさり」もイレギュラー的な動きだった感はある。
その動向をより分かりやすくするため、「いずれ結婚するつもり」の回答者の割合を抽出し、グラフを描き直したのが次の図。

↑ 未婚者の生涯の結婚意識で「いずれ結婚するつもり」の回答
1987年以降、男女の間で「いずれ結婚するつもり」の値、言い換えれば結婚願望の強さが逆転。その値は2000年前後に底を打ち、再び上昇を見せつつある気配が見てとれた。しかし2010年分以降で再び減少傾向に戻りつつある。2005年の動きは一時的なもので、中長期的には減少の方向性で間違いはないようだ。特に直近2021年では大きく減少しているが、これは新型コロナウイルスの流行による景況感の後退や、流行下における特殊な社会情勢が影響したものと思われる。
「いずれ」の中身
上記調査項目で「いずれ結婚するつもり」と回答した人に、「ではどのような条件に達することが”いずれ”に該当するのか」に関して、2つの選択肢「ある程度の年齢までには結婚するつもり」「理想的な相手が見つかるまでは結婚しなくてもかまわない」を用意し、どちらかを選んでもらった結果が次のグラフ。

↑ 結婚意思を持つ未婚者の結婚に対する考え方(男性)

↑ 結婚意思を持つ未婚者の結婚に対する考え方(女性)
男女別では、男性の方がやや自分の年齢を気にする・優先する(=女性の方が理想の相手を求める意識が強い)があった。しかし2010年分以降ではこの関係が逆転し、女性の方が年齢を気にする人の割合が大きなものとなっていた。かつては【男性より女性の方が婚活には消極的・理由は「一人が楽しい」「他に時間を使いたい」】などでも現れていたように、未婚男性よりも未婚女性の方が、結婚以外の「やりたいこと」への願望が強く、それを凌駕するだけの相手を求めるこだわりがある結果としての動きによるものと考えられたが、該当時期では逆に未婚男性の方が「結婚以外にやりたいことがある」人の割合が増えたのかもしれない。しかし直近2021年では再び、未婚男性の方が「ある程度の年齢までには結婚するつもり」の値が大きなものとなっている。やはり新型コロナウイルスの流行という大きな出来事が影響したのだろうか。
今調査の限りにおいては
・未婚で生涯を過ごす意思を持つ人は増加している
・結婚願望を持つ人は大体5-6対4の比率で「年齢と相談して結婚」「理想の相手が見つかるまで我慢」
1987年-1990年代は、やや「理想の相手-」が増加する傾向を見せたが、その後減少。しかし直近2021年では大きく増えた
などの傾向が確認できる。多くの動きについて、他の調査機関の調査結果を裏付ける内容であり、納得のいく結果ともいえる。
「出生動向基本調査」は基本的に5年おきの調査であり、次の機会は2025年調査・2026年発表となる。あるいは直近調査が1年ずれ込んだことを受けて、2026年調査・2027年発表となるかもしれない。その頃にはどのような動きを確認できるのか。今から心待ちにしたい。
■関連記事:
【独身有職女性の7割は「年収1000万円以上の男性」なら結婚しても良い】
【自分の歳で結婚している人は何%? 結婚状況など】
【30代前半でも男性未婚率は約半数の47.4%…年齢階層別未婚率の推移(最新)】
スポンサードリンク
