誰が教えてくれた? トップは親、次いで先生…米の子供達のネットや携帯上でのセキュリティの教え手

2011/11/28 06:16

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子供にパソコンを教えるアメリカの調査機関【Pew Reserch Center】は2011年11月9日、アメリカの子供達におけるソーシャルメディア上での他人との意志疎通、そこから生まれるさまざまな感情や「いじめ」に関する調査結果を発表した。その内容からは以前【米社会の子供達のネットとの付き合い方を箇条書きにしてみる】でも紹介した、多種多様な問題点や現状を知ることができる。今回はその中から、子供達がインターネットや携帯電話を使う際の注意点、セキュリティに関する教え手についてチェックを入れることにする(【Teens, kindness and cruelty on social network sites】)。



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今調査のうち、子供に対する調査は2011年4月19日から7月14日にかけて、アメリカ国内に住む12-17歳の子供(799人、うちインターネット利用者は770人)とその保護者に対し、英語とスペイン語を用いた電話インタビューによって行われた。大人のデータは2011年7月25日から8月26日にかけて18歳以上の男女・携帯電話経由者916人を含む2260人に対し、英語・スペイン語による電話インタビューで行われている。また「ソーシャルメディアユーザー」とは、「ソーシャルネットワークやツイッターを使っている」と報告した人と定義する(子供の場合、623人・調査母体全体の78.0%が該当する)。さらに両調査の調査結果は国勢調査などのデータによって、ウェイトバックがかけられた数字を使用している。

他の動物同様人間もまた、本質的に文化を習得しているわけではない。長年の経験の蓄積や啓蒙、教練などを経て、社会的なルールを学んでいく。インターネットや携帯電話など新たに登場したツールの「決まりごと」「暗黙の了解」をはじめとした「安全な使い方」「守らねばならないルール」について、アメリカの子供達は誰から学んでいるのだろうか。調査母体全体では「親から」とする意見がもっとも多く、86%に達していた。

↑ インターネットや携帯電話の安全な使い方は誰が教えてくれたか(米12-17歳)(ネットや携帯電話利用者限定)
↑ インターネットや携帯電話の安全な使い方は誰が教えてくれたか(米12-17歳)(ネットや携帯電話利用者限定)

今やごく普通に日常生活を過ごしていく中でも欠かすことができない、インターネットや携帯電話。大人たちはそれらの仕組みの成長過程の中で育ってきただけに、初めからどのようなものか、どのように使いこなしていくかを知っている。しかし子供達は初めて遭遇するものばかりなだけに(しかも自動車などと比べて利用ハードルは低い)、学習・情報の習得が必要になる。その教え手として多くの子供達は「親」を挙げる結果となった。

次点の「先生」は70%。「親」と比べると16ポイント低い。日本でも「ネットの使い方、ルールを誰が教えるか」という問題はよく話題に登るが、少なくとも今件では「親が教える事例が多い」との結果が出た次第。

次いで多いのは「メディア」、やや値が下がって「兄弟やいとこ」「友達」「年長の親族」など、実社会で身近な存在から教えてもらう事例が並ぶ。残念ながら「まだ誰からも教えてもらっていない」という人も2%ながら存在している。

これを男女別に見ると、全項目で女性の方が高い値を示している。

↑ インターネットや携帯電話の安全な使い方は誰が教えてくれたか(米12-17歳)(ネットや携帯電話利用者限定)(男女別)
↑ インターネットや携帯電話の安全な使い方は誰が教えてくれたか(米12-17歳)(ネットや携帯電話利用者限定)(男女別)

「親」「先生」は元々値が高いからか差異はさほど開いていないが、それ以降は10ポイント強ほど女性の方が高い(「インターネットや携帯電話の会社」がかろうじてほぼ同程度か)。これは男性よりも女性の方が、インターネットや携帯電話上のリスクにさらされやすく、周囲の人もそれを気遣ってルールを積極的に教え込もうという姿勢の結果が、数字となって現れたといえよう。

世代別に見た場合、上位陣ではほとんど差異が無い。

↑ インターネットや携帯電話の安全な使い方は誰が教えてくれたか(米12-17歳)(ネットや携帯電話利用者限定)(世代別)
↑ インターネットや携帯電話の安全な使い方は誰が教えてくれたか(米12-17歳)(ネットや携帯電話利用者限定)(世代別)

歳を重ねて行動範囲が広まるに連れて、足を運んだ先で教えてもらう機会が増えるからか、身内の割合が減り、第三者から教えてもらう率が増加する傾向が見て取れる。



「携帯やネットの安全な使い方について教えてくれる」のは主に親、先生、メディアという結果が出たわけだが、追加的な話として二つほど挙げておこう。
・携帯電話やインターネットの利用の際の考え方、行動様式に、もっとも大きな影響を与えたのは「親」、ついで「友達」

・実際に携帯電話やインターネット上で何らかのトラブルに巻き込まれた際に、相談する相手は「友達や知人」がもっとも多く、次いで「親」

親は子供に多大なる影響力をもたらすが、相談する相手としてはやや気後れしてしまう。これは何も携帯電話やインターネットに限った話では無い。保護者側はこの点をよくわきまえた上で、子供に教え説くようにしてほしいものだ。相談を受けていなくとも、子供が何らかのトラブルを抱えている可能性もあるのだから。



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