世界の証券取引所の上場企業時価総額
2011/11/24 06:34
先日【東証と大証が統合で合意、2013年1月に持ち株会社「日本取引所グループ」を創設】で東証と大証が合併する事で上場企業の時価総額が世界で第3番目になることを解説した。今回はその際に用いた【世界取引所連盟の月次レポート(Monthly Reports)】を吟味し、証券取引所の規模を表す指針「上場企業時価総額」を元に、いくつかのグラフを生成する。証券取引所の現状をかいま見ることができるはずだ。
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まずは直近データとして2011年10月末時点、そして比較対象データとして2011年1月末時点における、世界の証券取引所の上場企業時価総額ランキングをグラフ化する。数字はすべて米ドルベース。「Latest Statistics」から「Monthly Reports」のデータをExcelベースで落とした後、「Market cap」の項目を選んで並びかえを行う。
↑ 証券取引所上場企業時価総額(2011年1月末時点、米ドル、億ドル)
↑ 証券取引所上場企業時価総額(2011年10月末時点、米ドル、億ドル)
後述するが今年に入ってから東京市場の株価低迷は著しく、ドルベース換算のため円高の恩恵を受けているにも関わらず、時価総額は下落の真っただ中。1月末時点で第3位だったものが、10月末時点でわずかにロンドン証券取引所に抜かれて第4位に落ちている。今回の大証との合併による積み増し分で、再び第3位になるという試算。
どれだけ株価が低迷しているかが間接的に分かるのが次のグラフ。1月末・10月末時点での各証券取引所の時価総額を比較して、その変移を計算したものだが、全証券取引所が仲良くマイナス値を示している。
↑ 証券取引所上場企業時価総額(2011年1月末から10月末における変移、10月末時点の時価総額上位20取引所、時価総額順)
時価総額上位20取引所の中では東京証券取引所の下げ幅は中間レベルだが、競っていたロンドン証券取引所の下げ幅が低かったため、今回のような逆転劇が起きたのが分かる。逆に考えれば、東京市場は円高の恩恵を受けてなお、ここまでの下げ幅を見せるほど、他証券取引所・市場と比べてキツい下げ方をしているのが改めて理解できる(震災の影響も少なからずあるのだろう)。
最後に2011年10月末時点における、上場企業時価総額ベースでのシェア。NYSEユーロネクストが23.8%と絶大なシェアを見せている。
↑ 証券取引所上場企業時価総額(2011年10月末におけるシェア、上位10位とその他)
上位10位までで実に世界の7割のシェアを確保している。表現を変えれば、世界の上場企業の株式の7割は、10証券取引所が把握していることになる。
今回の合併話におけるもう一方の雄、大証は一切グラフに出てこなかった。大証の時価総額は2163億ドル。順位では31位に過ぎない。大証にはむしろデリバティブ(金融派生商品)などの麺から、新持ち株会社を支える要素となる。
東証・大証の合併でこれらの序列に今後どのような動きが生じるのか。動向を注意深く見守りたいところだ。
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