アジア諸国のネット利用率
2011/11/18 12:00
米調査機関のNielsenは2011年11月10日、東南アジア諸国のインターネットやモバイル端末の利用状況、それらを合わせたデジタル機器の利用時の関連性などを調査した「Southeast Asian Digital Consumer Habits and Trends」の概要レポート「Surging Internet Usage in Southeast Asia Reshaping the Media Landscape」を発表した。「Southeast Asian Digital-」もまた「the Nielsen Southeast Asia Digital Consumer Report 2011(全調査国網羅版:1万8000ドル)」の要約的な内容ではあるが、こちらは無料で入手が可能。そこで今回から何回かに渡り、「Southeast Asian Digital-」などをチェックし、東南アジア諸国のデジタル事情をかいま見られるグラフなどを作成していくことにする(【元記事】)。
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今調査の調査対象はインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの6か国。調査対象総数は8000人以上で15歳以上の男女を対象としている。
まずは過去1年間・過去4週間におけるインターネット利用率。当然「過去4週間」<<「過去1年間」となるはずだが、どの国でも両者にはほとんど差異が無い。
↑ インターネット利用頻度(利用経験ありの人)
これは「数か月に一回」などの頻度でネットにアクセスする人は少数派で、使っている人はその大部分が月一以上の利用頻度にあることを意味する。もし多くの人が「半年に一度くらい」「よくて二か月に一度ほど」の利用頻度なら、両者には大きな差異が生じるからだ。
国ベースの値を見るとインドネシアの値が低い。これは以前【Facebook利用者数の各国対人口比】で、Facebook利用者数そのものでは第二位のインドネシアが、対人口比ではかなり下の順位にあることからも理解できよう。逆にシンガポール、そしてベトナムの高さが目に留まる。
次いで「過去4週間においてインターネットを利用したことがある人」の比率を、性別・世代別に見たのが次のグラフ。なおマレーシアの40代と50歳以上はまとめて集計されているため、やや特殊な形状をしている。
↑ インターネットを過去4週間に利用したことがある人(性別・世代別)
若年層ほど利用する比率が高く、高齢者ほど低くなるのは万国共通。一方、それぞれの国のインターネット事情がかいま見れる値でもある。例えば「シンガポールとベトナム、特にシンガポールは高齢者にもインターネットの普及が進んでいる」「フィリピンでは男性より女性の方が利用率が高い。タイも男女差がほとんどない」などである。
最後に利用頻度の詳細。過去4週間にネットを利用したことがある人に限定し、具体的にどれほどの頻度で使ったのかを聞いた結果が次のグラフ。マレーシアやシンガポール、そしてベトナムでは利用者の過半数が「毎日」と回答している。
↑ インターネット利用頻度(過去4週間における利用経験者限定)
その3か国以外では「毎日」利用者は1/3前後となってしまうが、それでも週数回以上の利用者で区切ると8-9割となる。先の「過去1年間の利用者」≒「過去4週間の利用者」と合わせて考えると、今回挙げた6か国のインターネット利用者の大勢は「週数回以上インターネットを利用する、積極的な利用者」と見ることができる。
以前【モバイル大展開…ニールセンのレポートからインドネシアのネット事情をかいま見る】でも触れたが、Facebook利用者が多いインドネシアの値が色々と抑え気味に見えるのは、元々人口が多い事(約2億3000万人)に加え、インフラ開発の事情からモバイル経由でのインターネット利用がメインとなっているため。【Internet World Stats】によれば、インドネシアの対人口インターネット率は16.1%(パソコン以外にモバイル経由のネットアクセスまで含めた値)でしかない。このあたりは別の機会でデータを提示・グラフ化して解説することにしよう。
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