テレビは98%・携帯ゲーム機は44%…米幼児世帯のデジタルアイテムなどの普及率

2011/11/14 06:39

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Leapster Explorer利用中子供やその世帯の生活改善を目的とし、メディアや技術分野における各種情報提供などを行っている非営利団体【Common Sense Media】は2011年10月25日、アメリカの現在の子供におけるデジタルメディアを中心としたメディアとの関わり合いについて調べた報告書【Zero to Eight: Children's Media Use in America(アメリカにおける0-8歳児のメディア利用状況)】を発表した。そこからは誕生時から多彩なメディアに囲まれて成長しているアメリカの子供達の実情を、色々な視点からかいま見ることができる。今回はその中から「世帯や子供本人における、デジタルメディアアイテムなどの所有状況」に焦点をあてることにする。



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今調査はアメリカ国内に住む0-8歳児の子供を持つ親1384人に対して、2011年5月27日から6月15日にかけて行われたもので、アフリカ系・ヒスパニック系の親子も調査対象に含んでいる。調査方式はインターネットによるものだが、調査母体対象となる世帯はランダムで選ばれており、その世帯がネット環境を有していなかった場合、回答用ツールとしてノートパソコンとアクセス用のダイヤルアップによるインターネット回線が貸与されている(パソコン周りの設問の際には、この貸与機器は考慮外で回答する)。調査の文面は英語及びスペイン語の両方で提供されている。また「デジタルメディア」とはビデオゲーム、パソコン、携帯電話、携帯ゲーム機、iPod、iPadなどのモバイル機を指し示している。

【アメリカの子供間で生じるデジタルギャップ】などで解説している通り、世帯年収差が大きいものの、全体では「パソコンがある世帯は約7割」「スマートフォン保有世帯は4割強」などの結果が出ている

↑ 自宅にパソコンやノートパソコンがあるか(アメリカ、0-8歳児がいる世帯、前記事のグラフを再構築)
↑ 自宅にパソコンやノートパソコンがあるか(アメリカ、0-8歳児がいる世帯、前記事のグラフを再構築)

↑ 自宅にモバイル端末があるか(アメリカ、0-8歳児がいる世帯、前記事のグラフを再構築)
↑ 自宅にモバイル端末があるか(アメリカ、0-8歳児がいる世帯、前記事のグラフを再構築)

これらも含め、多種多様なデジタルアイテムなどの世帯単位での普及率を見たのが次のグラフ。「テレビ」「DVD」「パソコン」「テレビゲーム機」の4項目は、「子供部屋に専用のアイテムが備わっているか」の項目も別途確認できたので、それを加味してある。

↑ デジタルアイテムなどの保有状況(アメリカ、0-8歳児がいる世帯)(子供部屋回答は「ゼロ」=未質問)
↑ デジタルアイテムなどの保有状況(アメリカ、0-8歳児がいる世帯)(子供部屋回答は「ゼロ」=未質問)

テレビはほぼ100%。DVDプレイヤーの普及率も高めで、5世帯に4世帯は保有。パソコンやブロードバンド環境、ケーブルテレビ、テレビゲーム機も6割を超え、スマートフォンは4割。電子書籍リーダーや各種タブレット機はまだ1割にも満たない。

面白い動きとしては「テレビゲーム機」の数字。「世帯保有率」が67%にも関わらず、「子供部屋での配置」が11%のみ。ほとんどの世帯ではテレビゲーム機はリビングなどの家族全体の共有スペースに配されているようだ。

次のデータは「置き場所」では無く、子供が自分のアイテムとして保有しているか否かの割合。回答者は保護者なので、イコール保護者が許可している・買い与えている割合とも読みとれる。

↑ 子供のデジタルアイテム保有状況(アメリカ、0-8歳児がいる世帯)
↑ 子供のデジタルアイテム保有状況(アメリカ、0-8歳児がいる世帯)

携帯ゲーム機(プレイステーションポータブルやニンテンドー3DSなど)の24%を抜き、教育向けゲーム専用機器が29%とトップについている。これは【3割は「ゲームや教育ゲームの利用あり」…アメリカの子供とモバイルアプリの関係】でも触れたが、Leapster ExplorerやV-Smileのようなゲーム機ライクな「勉強用の携帯端末」を意味する。


↑ Leapster Explorer。
↑ Leapster Explorer。

日本ではあまり使われないタイプのデジタル機器(本体は100ドル前後)だが、少なくともアメリカ(の今調査母体)では携帯ゲーム機以上の普及率が確認できる。一方で、携帯電話は2%。8歳児までで50人に1人は自分の携帯電話を持ち、33人に一人は動画再生機能付きのiPodなどを保有している。まだまだ少数だが、その年齢でそれらを「自分の所有物」としていること自体、驚くべき内容かもしれない。



やや余談になるが、回答者、つまり保護者自身の携帯電話所有状況は次の通り。

↑ 携帯電話保有状態(保護者)(アメリカ、0-8歳児がいる世帯)
↑ 携帯電話保有状態(保護者)(アメリカ、0-8歳児がいる世帯)

「無し」が1割いる一方、スマートフォンの普及が一般携帯電話に迫る勢いで普及している。あくまでも今データは「0-8歳児がいる世帯」の保護者に限定されるが、そのような母体ですらスマートフォンの浸透が進んでいることを、再認識させるデータといえよう。



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