自室にテレビがある5-8歳児は47%…アメリカの子供もやっぱりテレビ好き
2011/11/07 06:18
子供やその世帯の生活改善を目的とし、メディアや技術分野における各種情報提供などを行っている非営利団体【Common Sense Media】は2011年10月25日、アメリカの現在の子供におけるデジタルメディアを中心としたメディアとの関わり合いに関する調査報告書【Zero to Eight: Children's Media Use in America(アメリカにおける0-8歳児のメディア利用状況)】を発表した。そこからは誕生時から多様なメディアに囲まれて成長している子供の実情を、色々な視点からかいま見ることができる。今回はその中から、テレビにスポットライトを当てることにする。
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今調査はアメリカ国内に住む0-8歳児の子供を持つ親1384人に対して、2011年5月27日から6月15日にかけて行われたもので、アフリカ系・ヒスパニック系の親子も調査対象に含んでいる。調査方式はインターネットによるものだが、調査母体対象となる世帯はランダムで選ばれており、その世帯がネット環境を有していなかった場合、回答用ツールとしてノートパソコンとアクセス用のダイヤルアップによるインターネット回線が貸与されている(パソコン周りの設問の際には、この貸与機器は考慮外で回答する)。調査の文面は英語及びスペイン語の両方で提供されている。また「デジタルメディア」とはビデオゲーム、パソコン、携帯電話、携帯ゲーム機、iPod、iPadなどのモバイル機を指し示している。
【どこで観る? テレビのある場所・もっとも良く見る場所】などにもあるように、日本ではテレビが配されているのはリビング・居間がもっともおおく、次いで自室の順。家族憩いのツールとしてのテレビの存在感が色濃く出ている。もっとも最近ではパソコンや携帯電話でもテレビ視聴が可能となり、自室でのテレビ設置は、昔ほど意味を成さなくなっているのも事実(自室にテレビは無くとも携帯電話を持つ人は多く、その携帯電話経由でテレビを視聴できる)。
今調査ではアメリカにおいて、子供部屋に専用のテレビがあるか否かを尋ねているが、0-1歳児でもすでに3割の部屋にテレビが設置されているとの回答が出ている。
↑ 子供の寝室にテレビがある世帯(アメリカ、0-8歳児)
もっとも、今調査母体における「子供が生まれて初めてテレビを視聴した」平均年齢は生後9か月なので(詳細は機会を改めて解説する)、1歳児の時点で子供の自室にテレビがあるのもさほど不思議ではないかもしれない。そして8歳までにはほぼ半数の子供部屋にテレビが備わっていることになる。
利用ハードルが低く、ながら視聴も簡単。保護者もさほど気に留める必要が無いテレビ視聴は、子供にとっても過ごしやすいひとときのようだ。ゲーム機やモバイル端末も含めたいわゆる「画面メディア」全体のうち、「テレビ視聴」(DVDの再生視聴なども含む)時間は実に3/4に達している。
↑ 「画面」メディアに対する接触時間比率(一日、平均2時間16分)(アメリカ、0-8歳児)
パソコンやモバイル端末、携帯ゲーム機など色々なデジタルメディアが浸透しつつあるが、やはり主役はテレビなのが一目瞭然。具体的な消費時間を確認しても、テレビが段違いなのが分かる。
↑ 日常的な一日における消費時間(分)(アメリカ、0-8歳児)
8歳児までの平均テレビ視聴時間が、1日約2時間。読書や音楽視聴が約30分なのと比べてもその違いが見て取れる。
以前紹介した【アメリカ人がいつテレビを見ているのかがひとめで分かる図】では、青年-成人の平均テレビ視聴時間は166分/日だった。それと比べれば104分は少なめだが、「毎日2時間近く」と考えれば、決して短くは無いようにも思える。
なお詳細は後日改めて解説するが、テレビは他のデジタルメディアと比べて視聴そのものの技術的、そして費用面でのハードルが低い。そのため、年収が低い世帯の子供ほど、テレビの教育番組での視聴経験率が高い傾向がある(テレビの保有率そのものは年収別で変わらずほぼ100%)。すべての世帯が一様に、同じようにテレビを視聴しているわけではないことに、留意しておくべきだろう。
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