動きはまるで人間そのもの…あのBostonDynamicsが今度は人型ロボット「PETMAN」を公開
2011/11/03 06:41
先日【「静音性は10倍以上…あの「BigDog」を超えた「AlphaDog」登場】で、軍事用の技術の収斂と開発を幅広い分野で行うDARPA(国防高等研究計画局:Defense Advanced Research Projects Agency)の支援を受け、【BostonDynamics】が開発している、アメリカの軍事目的用輸送四足走行ロボット「AlphaDog」の最新情報をお伝えした。その情報公開からほぼ一か月後の2011年10月30日、同社は新たな「驚き」を世界に公開した。同社内プロジェクト名としては「PETMAN」と呼ばれているもので、人の歩行挙動と変わらない動きを見せる、未来を感じさせる人型ロボットである(【解説ページ】)。
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↑ PETMAN。
今回公開された映像は「PETMAN」とあり、BostonDynamicsで提示されているプロジェクト名「PETMAN」と同じである。公式ページの解説によれば、
↑ 多種多様な挙動が可能
↑ 今はまだ機械がむき出しの状態だが、最終的にはこのようなカバーがかぶせられるようだ
↑ 走行実験中の想像図
・化学保護用装備(衣服)をテストするために作成された擬人化ロボット。
・人間の挙動を極力シミュレートし、着衣の動きなどを調べるのが目的。
・必要に応じて人間と同じような温度(体温)、湿度、発汗などのコントロールも行い、人間の生理学的な面でのシミュレーション用機材として用いられる。
・兵士の動きを再現するため、自然でかつ機敏な運動が求められている。また、標準的な人間のサイズ、造型をしている。
(動画コメントではスクワットや歩行、簡単な運動が出来ると言及)
・デザインに13か月、実際の製作に17か月の月日を要している。そして現在も調整は続いており、2011年中には完成予定。
・MRI(Midwest Research Institute)やMeasurement Technologies Northwest、SCC(Smith Carter CUH2A)、HHI Corporationが協力している
などの説明が確認できる。
最初先行して動画を確認した際には「ここまで自然な動きが出来る、自立歩行の可能なロボットが!?」と驚いたが、説明文章を読む限りその計画は無い。あくまでも「歩行時の着衣の状態や人体に与える影響をチェックするための実験機器」であるため、色々な挙動はできるものの、上のイラストのように何か所か上からヒモで引っ張る形で立たせ続ける仕様のようだ。
↑ ごく普通の人と同じように歩いたり、スクワットをしたり、果ては腕立て伏せまで
↑ 「-Dog」シリーズ特有のケリは入らなかったが、肩の部分を強く押してバランスを崩してみる。よろけるが、何とか元の姿勢に
「AlphaDog」をはじめとしたBostonDynamicsが世に送り出すロボット群にほれ込んでいる人達にとっては、今「PETMAN」が「完全自立二足走行をするロボット」でないのは多少残念かもしれない。しかし求められる要素・性能に対しては非常に有意義なものに仕上がっており、必要な分野において大いなる活躍を見せるに違いない。そして「PETMAN」で習得された技術が、同社の他のプロジェクトにも活かされていくだろう。
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