夫婦の「出会いのきっかけ」は(最新)
2025/02/25 02:35


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夫婦間 出会いのきっかけ 何だろう
今調査に関する調査対象母集団や集計様式については、出生動向基本調査に関連する先行記事の【日本の「恋愛結婚」「見合い結婚」の推移】を参照のこと。
現在夫婦生活を営んでいる男女において、知り合った・出会ったきっかけはさまざま。資料では調査年毎の調査結果が記録されているが、直近となる2021年b分では「友人・兄弟姉妹を通じて」がもっとも多く25.9%、次いで「職場や仕事」でが21.4%との結果が出ている。もちろんいずれも恋愛結婚。
なお2021年調査はコロナ禍の影響で前回調査から6年が空いてしまったため、「結婚が2015年7月〜2018年6月」の夫婦を2021年a、「結婚が2018年7月〜2021年6月」の夫婦を2021年bとして集計している。

↑ 夫婦が出会ったきっかけ
グラフでは見合い結婚(純粋なお見合い以外に結婚相談所を介して知り合った事例も含まれている)は紫で着色している。以前の記事「日本の「恋愛結婚」「見合い結婚」の推移」でも解説しているが、おおよそ時代の流れとともに恋愛結婚率が高まり、「見合い結婚」が低下しているのが分かる。ただし2015年あたりから再び「見合い結婚」が高まり、さらに2021年a以降はネットがきっかけのケースが急に増え、恋愛結婚を圧迫しているのが分かる。もっとも2021年bでは「その他・不詳」が大きく減っていることから、これまでその他や不詳として回答されていたものの多くが、実はネットでの出会いがきっかけだった可能性もある。
また恋愛結婚の主要因である「職場や仕事で」「友人・兄弟姉妹を通じて」だが、「職場や仕事で」は経年とともに1992年までは増加していたものの、その後漸減する方向に転じている。一方で「友人・兄弟姉妹を通じて」はずっと増加を続けていたが、3割で頭打ちの状態となり、そして2021年aからは漸減に。「職場や仕事で」が漸減しているのは、正社員比率の減少も一因だろう。
恋愛結婚に至った理由をもう少しじっくりと
上記グラフでは項目ごとの経年推移が少々見難いので、恋愛結婚に限定して項目ごとに変移を棒グラフ化する。

↑ 夫婦が出会ったきっかけ(恋愛結婚の詳細、結婚全体に占める比率)
「友人・兄弟姉妹を通じて」が一貫して比率を増加させていたが、2005年以降は横ばいに。そして2021年では失速。一方で「職場や仕事で」は1992年をピークに、確実に減少方向に走っているのが分かる。また絶対比率は小さめだが、「学校で」は漸増(2021年bではわずかに減少しているが)、「街中や旅先で」は漸減の動きを見せていたが、漸増への切り返しを示している。「サークル・クラブ・習いごとで」は漸減。「アルバイトで」は漸減していたが2021年では増加の動きも見受けられる。
「職場や仕事で」「友人・兄弟姉妹を通じて」の上位傾向は、取得可能な最古の公開値である1982年分以降変わらない。そして「見合い結婚」が年々減少する中で、その2項目に加えて「学校で」が台頭し始め、今世紀に入ってからは「職場や仕事で」「友人・兄弟姉妹を通じて」「学校で」が、現在夫婦生活を過ごしている男女における、出会ったきっかけの上位3項目として君臨している。さらに2021年では「職場や仕事で」「友人・兄弟姉妹を通じて」のツートップが減り、「ネットで」が大きく増える傾向が生じた。いずれもが非日常的な場での出会いではなく、日常的な生活の場が「恋愛結婚における」出会いの場であるのが分かる(「ネットで」が日常的な生活の場なのかは賛否が分かれるところであろうが)。
要は恋愛結婚におけるキューピッドは、日常生活の中にこっそりと潜んでいる「かもしれない」次第ではある。
余談ではあるが、今件「出会ったきっかけ」は夫婦間だけでなく、単身者だが現在異性の交際相手がいる人に対しても調査が行われている。直近分となる2021年分に付き、単身者と夫婦(=付き合い続けゴールインした人たち)との差を比較したのが次のグラフ。単身者の値は男女それぞれ別であることから、対象者の数を基に加重平均を行っている。

↑ 夫婦が出会ったきっかけ(夫婦・18〜34歳の未婚者で異性の交際相手がいる人別(男女別を加重平均))(2021年)
単身者で異性と付き合いがある人がそのまますべて結婚に至れば、両者の値にはさほど違いは生じないはず。しかしながら実際には「学校で」「アルバイトで」をきっかけにして付き合っている人の割合は、未婚者の方が大きく差をつける形で高い。逆に「職場や仕事」「友人・兄弟姉妹を通じて」「見合い結婚」は夫婦の方が大きく差をつける形で高い値が出ている。
単純比較はややリスクが高いが、それを承知の上で推測すると、「学校で」「アルバイトで」がきっかけに付き合っているカップルは結婚に至る可能性がやや低めで、「職場や仕事」「友人・兄弟姉妹を通じて」「見合い結婚」は高めと見ることができる。周囲のしがらみがかかわってくるとすれば、納得のいく結果には違いない。
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