ますます延びる交際期間と縮む夫婦間年齢差…日本の夫婦事情の推移(最新)
2025/02/23 02:37


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今調査に関する調査対象母集団や集計様式については、出生動向基本調査に関連する先行記事の【日本の「恋愛結婚」「見合い結婚」の推移】を参照のこと。
【初婚年齢男性31.1歳・女性29.7歳、ここ数年はほぼ頭打ち…日本の婚姻率・離婚率・初婚年齢の推移(最新)】で解説の通り、日本においては初婚年齢は年々上昇し、いわゆる晩婚化の様相を呈しつつある。

↑ 平均初婚年齢(歳)
「晩婚化」は「結婚時の年齢が上がる」ことを意味するが、その要因として「夫婦となる男女二人が付き合い始める機会(結婚に至る出会い)が遅くなる」「出会ってから結婚するまでの期間が長くなる(未結婚同棲、あるいは恋人同士としての付き合いの時期の長期化)」の二つが考えられる。今回はこれらの状況を確認できる各種値を見て行くことにする。
まずは平均的な出会い年齢・初婚年齢について。回答対象が夫婦(の妻)で、問い合わせているのは「現時点における」配偶者である相手との出会い・結婚年齢であることに注意。

↑ 出会い年齢・初婚年齢(歳)
夫の出会い年齢で今世紀初頭までは若年化の動きがあったがそれも最近では上昇に転じており、それ以外は一貫して上昇傾向にある。特に夫の平均初婚年齢では2005年以降のカーブの急勾配化=晩婚化が加速化したほど(直近2021年でようやく落ち着いたが)。出会い年齢が上昇しているのだから、初婚年齢も上昇して当然のように見えるが、それにしても前者に比べて後者の上昇カーブが急なのは気がかりな動き。
この疑問を解消するカギとなるのは、「出会い」から(そのまま付き合いが継続し)「結婚」に至るまでの期間を意味する「交際期間」の推移。

↑ 交際期間、夫婦の年齢差推移(年)
時代の流れとともに交際期間は大きく延びる傾向にある(直近の調査2回分では頭打ち感はあるが)。出会いの年齢が上昇するだけでなく、それに加算される交際期間も延びているのだから、晩婚化が加速度的な動きを見せるのも当然といえる。また、初婚年齢の上昇カーブが、夫よりも妻の方が急なため、結果として夫婦間の平均年齢差は縮まる傾向にあった(こちらも直近調査2回分では底打ち、さらに延びる動きに)。
つまり「晩婚化」は単純に「結婚年齢が上昇している」と見るよりは、「出会い年齢の上昇」と「交際期間の長期化」の双方が影響していると考えてよい。そして初婚年齢が上がれば、体力や身体的変化の事情から、当然妻の出産機会年数は短くなる。よって晩婚化の起因となる「出会い年齢の上昇」と「交際期間の長期化」は、間接的に少子化の要因の一つであることもまた事実ではある。
ちなみに夫婦全体としての「出会い年齢の上昇」と「交際期間の長期化」は、いわゆる「見合い結婚」の比率低下が一因と考えられる。報告書には調査対象母集団全体以外に恋愛結婚による夫婦に限定した値も掲載されている。

↑ 交際期間(総数と恋愛結婚限定、年)

↑ 恋愛結婚・見合い結婚などの構成比(再録)
差は縮まる動きを見せているが、これは全体に占める見合い結婚の比率が減少しているのが主要因(直近では差が開いているが、ネットで知り合ったのがきっかけで結婚した人が増えたからかもしれない)。他方、「総数」が「恋愛結婚限定」を下回っているため、「見合い結婚の夫婦」がこれらより交際期間が短いのは一目瞭然。経年による全般的な交際期間の延長化とともに、見合い結婚率の低下が、「全体として」の交際期間の延長化を後押ししたと考えてよいだろう。
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