「ネットやテレビのニュースで十分」…紙の新聞を読まない理由とは?

2011/10/23 12:00

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新聞を読む若者リサーチバンクは2011年10月19日、新聞購読に関する調査結果を発表した。それによると調査母体のうち3割近くを占める、紙媒体新聞「非」購読者においては、その理由として「インターネットのニュースで十分だから」とする人がもっとも多く、新聞非購読者のうち過半数に達していることが分かった。次いで「テレビニュースで十分」「価格・購読料が高い」などが続く。新聞社が手掛けている「インターネット(アプリ含む)の新聞を購読している」を理由に挙げた人は1割にも満たなかった(【発表リリース】)。



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今調査は2011年10月1日から6日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1200人。男女比は1対1、年齢階層比は10代から60代まで10歳区切りで均等割り当て。今件はインターネット経由での調査で、特に高齢者においては世間全般と比べて、紙媒体周りの回答が少なめに出る可能性がある。

今調査母体で紙媒体の新聞購読者であるか否かを聞いたところ、定期的にほぼ毎日購入している人は5割前後、時々購入している人は1/4程度、合わせて7割強の人が「新聞購読者」と答える結果となった。

↑ 普段から新聞(紙媒体)を読んでいるか
↑ 普段から新聞(紙媒体)を読んでいるか(再録)

それでは紙媒体の新聞を読んでいない人は、どのような理由で目を通していないのだろうか。複数回答で聞いたのが次のグラフだが、最上位回答項目は「インターネットのニュースで十分」とするものだった。

↑ なぜ新聞(紙媒体)を読まないのか(複数回答)(新聞非購読者限定)
↑ なぜ新聞(紙媒体)を読まないのか(複数回答)(新聞非購読者限定)

「インターネット経由での調査で、特に高齢者においては世間全般と比べて、紙媒体周りの回答が少なめに出る可能性」とは前述の通りで、世間全般の情勢と比べると「インターネットニュースで十分」の項目をはじめとしたインターネット周りに、いくばくかのプラス修正が入っていると考えた方が良い。しかしそれを数ポイント分指し引いたとしても、最上位群に「インターネットのニュースで充足しており、紙の新聞を読むまでも無い」とする回答は納得がいく。

第二位は「テレビニュースで十分」の47.3%。インターネットに触れない高齢者のことを考えると、特にシニア層では「インターネットニュースで十分」を上回るかもしれない。この上位二位が、代替できる媒体があるため、紙の新聞は必要ないと答えている。

以降「価格・購読料が高い」「新聞購読時間が無い」などは、紙新聞のコストパフォーマンスの低さを(後者は「時間をかけるほどの価値は無い」と判断していることになる)、「新聞購読の習慣が無い」は元々紙新聞に縁が無い「デジタル世代」であることを示唆している。両区分とも時代の移り変わりによる価値観の変化から生じた結果で(「金額的に高い」は質の低下で相対的な割高感が生み出された可能性もある)、仕方のない話。

気になるのは冒頭でも触れた、「ネット(アプリ含む)の新聞を購読」の回答率が8.3%でしかないこと。新聞社が紙新聞不調の起死回生策の一つとして挙げている、アプリなどによる有料配信という切り口が、あまり有効打として働いていない表れといえよう。


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