東西日本の「肉」の違いをまとめてみる(最新)
2024/10/02 02:35


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【カレーのお肉は「西牛東豚」】ではアンケートの結果として、「カレーの肉は西日本で牛肉、東日本で豚肉、西日本の一部で鶏肉が優勢」との傾向が見受けられた。

↑ 「カレー」に入れる「肉」の分布図(再録)
冒頭でも触れた各記事でデータから裏付けたように、カレーの肉に限らず肉の支出金額・消費量の観点からも、「西牛東豚」との傾向は正しいことが分かった。ではこの偏りの原因はどこにあるのだろうか。
【我が家のカレーは何の肉?(農林放送事業団)(記事更新時点でサービス終了)】や「「牛肉」と「豚肉」-肉じゃがの肉は牛? 豚? (方言大学)(【第五回:「牛肉」と「豚肉」?肉じゃがの肉は牛? 豚?(インターネットアーカイブより)】。記事更新時点でサービス終了)」、【「国牛十図」…描かれる牛(畜産ZOO鑑)】などから、
・明治以降は、和牛の産地(兵庫県、岡山県など)に近い関西では牛肉が多くたしなまれた(農耕作業としてはお役御免となった牛を食用にする)。一方関東では馬肉文化はさほど広まらず、関東大震災以降に養豚ブームが起き、豚肉が一般的となる。
・九州地方で鶏肉が多く消費されるのは、「昔から海外との交流がある(鶏肉を食す文化が浸透)」「水炊き、筑前煮などの食文化も広まっていた」などが要因。
・よって関西では肉=牛、関東では肉=豚が主流に。
・肉料理の多くもこの式に従っている。例えば肉まんは実際には豚肉が使われている。関東では「肉=豚」なのでそのまま肉まん。
ところが関西では「肉=牛」なので肉まんでは「牛肉入りの中華まん」と勘違いされてしまうため、わざわざ豚まんと呼ばれている。
・カレーや肉じゃがに入れる肉も、肉そのものの主流に従い、関西では肉=牛、関東では肉=豚が主流となる。
(西日本ではキリスト教伝来が一因、とする話もあるが、これは裏付けが取れず。「昔から海外との交流がある」あたりに含まれているのかもしれない)

↑ 豚肉・鶏肉の年間消費量(家計調査・二人以上世帯、鶏肉の方が消費量が多い都道府県は着色、都道府県別)(2023年)(再録)
と絡めることができる。単純に好き嫌いや何となくではなく、古くからの歴史の流れ、そしてさまざまな時代背景を元に現在の食文化が育まれたことになる。
実際カレーや肉じゃがに入れる肉の種類を尋ねると、「牛肉入りなど見たことが無い」「豚肉を入れるのは初めて聞いた」との答えをよく耳にする。今は数百キロの移動も一日でこなすことができるほど交通機関は発達しており、コンビニや通販で気軽に他地域の特産品を調達することもできる。今件の肉の違いのような差異を昔ほど感じる機会は得にくくなったものの、食文化の系統は体感できるはずだ。
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