スマートフォン上でのプライバシー公開理由は「交友関係が広がる」、では非公開理由は?
2011/10/22 19:30
NTTレゾナントは2011年10月11日、gooリサーチを介してスマートフォン所有者を対象にした「スマートフォンにおけるプライバシー意識」に関する調査結果を発表した。それによるとスマートフォンを所有する調査母体で利用しているアプリやサービス上にて何らかのプライバシー情報を公開している人は、その開示理由として「交友関係が広がるメリット」を挙げている人がもっとも多かった。次いで「特に理由は無い、結果的に公開していた」「自分を知ってもらいたいから」が続いている。一方非開示の人における非開示理由としては「トラブルが不安だから」が最多理由で、次いで「誰が見ているか分からないから」「公開するメリットが分からないから」が続く結果となった(【発表リリース】)。
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今調査は2011年5月30日から31日にかけてインターネット経由で、2011年2月次点でスマートフォンを保有している人に対して行われたもので、有効回答数は1573人。男女比は71.9対28.1、年齢階層比は20代16.7%・30代34.6%・40代29.9%・50代14.9%・60歳以上3.9%。Android所有者は47.6%、iPhone所有者は52.4%。
今調査母体でスマートフォン上のアプリやサービスにおいて、自分のプライバシー情報を公開している人は44.1%。非公開者は55.9%。
↑ 公開しているプライバシー情報(再録)
これを男女別に見ると、非公開者率はほぼ同じだが、公開内容に差異が確認できる。
↑ 公開しているプライバシー情報(男女別)(再録)
それでは開示している人、開示しない人はそれぞれどのような理由から、その判断を下したのだろうか。まずは公開者における公開理由。
↑ プライバシー公開理由(複数回答)(公開者限定)
もっとも多くの人が挙げた理由は「交友関係が広がるから」。4割近い人が理由に挙げている。そして、やや困りものの回答「特に理由なし、結果的に公開していた」が第二位についている。前者ならよいが、後者の場合は「意図せずして公開してしまった」かもしれず、後に何らかの問題を引き起こす可能性が生じてくる。
以下、「サービスやアプリが便利になる」などの機能上の利点もあるが、大抵は「不特定多数に自分を知ってもらうことで生じるメリット」を重んじて公開に踏み切った様子が分かる。
一方非公開のトップは「トラブルが不安」。プライバシー周りの話では必ず生じる問題。今点を気にする人が(非公開者の)6割を超えている。
↑ プライバシー非公開理由(複数回答)(非公開者限定)
インターネット上だけでのやり取りにとどめるはずだったのに、個人情報を暴露してしまったため、本名やその他様々なプロフィールを知られてしまったり、リアルな人間関係に支障を生じてしまうなど、プライバシー公開によるトラブルのリスクは否定できない。そのようなリスクを抱える位なら、メリットに魅力を感じても非公開にとどめておいた方がよい。そう考える人が多いことが分かる。
第二位の「誰が見ているか分からない」も、内情的にはトップの「トラブルが不安」と同じ。ただしこちらは「知られる相手」が現実での知り合いとなる場合がほとんど。例えばハンドルネームで「塾をサボって遊んでばかりいる」ことを書き連ねていたところ、本名とのつながりを知られてしまい、親にまで話が及んでしまったという事例が考えられる(もちろんこれは自業自得)。他にも「恋人」「勤め先」など「見られたら、知られたら困る相手」は色々と想定できる。
公開理由は男女でさほど違いは無かったのでグラフは略したが、非公開理由は色々と違いが確認できるので詳細を見ることにしよう。
↑ プライバシー非公開理由(複数回答)(男女別)(非公開者限定)
意外にも直接のトラブルを嫌う傾向は、女性より男性の方が大きい。一方で「誰が見ているか不安」「自分をさらけ出すのに抵抗感がある」では女性は男性を大きく上回っている。女性は男性より、リアルな自分とは異なるネットの中の「もう一人の自分」を形成し、その人格を演じて時を過ごすスタイルを好む傾向があるのかもしれない。
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