線のみで主張がパッと理解できる広告

2011/10/17 06:48

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心電図日本にも似たような番組をちらほらと見かけるが、(主に欧米の)海外では募金活動を行うための長時間テレビ番組が放映されることが少なくない。その類の番組のことを「テレビ(ジョン)」と「マラソン」から創られた造語「テレソン(telethon)」と呼んでいる。今回紹介するのはスペインのテレソン用として作成された広告。線から構成されている、シンプルで誰もが一度ならず見たことがあるものだが、その動きに目をやると何を訴えているのかが良く分かる内容となっている(I Believe in Advertising)。



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↑ 意味深な心電図
↑ 意味深な心電図

これは臓器移植をテーマにしたテレソンの番組用広告。広告面全面にシンプルな心電図が線で描かれている。時系列的な流れとしては左から右に移っていくものだが、左端で波長が段々と弱くなり、そして一本の直線に移行する。直線は心臓の停止を意味するので、ここでイメージ的に心肺停止、そして一人の人間の死を表現している。

しかし心電図の線はそこで終わらない。直線がしばらく続いた後、その線は6本の線に枝分かれし、それぞれがたくましい波長を描いていく。線を寸断させずにそのまま延長し、6本の別の心電図と結び付けることで、「生命の経路、つながり」を表現し、間接的に臓器移植をも表すことになる。そして中央やや下部には番組のものと思われるキャッチコピー「一つの生命が終わり、そしてたくさんの命が始まる……臓器移植による部位組織再生」の文字が走る。

↑ 一本の直線となった心電図が複数に枝分かれ。そして「一つの生命が終わり、そしてたくさんの命が始まる」のコピーが躍る
↑ 一本の直線となった心電図が複数に枝分かれ。そして「一つの生命が終わり、そしてたくさんの命が始まる」のコピーが躍る

臓器移植の是非は別として。それがどのような意味合いを持つのかが、非常にシンプルで、しかも分かりやすく理解できる切り口といえる。センスに優れたデザインといえよう。



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