禁煙成功・失敗共に最多手法は「自分の意思のみ」
2011/10/06 07:00
ファイザーは2011年9月27日、喫煙者の追跡調査結果を発表した。それによると2010年10月のたばこ税増税・たばこ値上げ直前に喫煙していた調査母体のうち、禁煙に成功した人の手法でもっとも多くの人が挙げたのは「自分の意思のみ」だった。成功者の約2/3が回答している。一方で禁煙に失敗した人の最大事由も「自分の意思のみ」で、禁煙の成否を左右する最大要因は「禁煙挑戦者」の意思であることが改めて確認できる(【発表リリース】)。
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今調査は2010年8月から9月に行われた調査(【喫煙者の38.2%がたばこ値上げ当日の時点で禁煙に挑戦】など)の回答者、つまり2010年8月-9月の時点で喫煙者だった9400人(各都道府県男女/各100人、計200人)当人に対して再びインターネット経由で2011年8月24日から8月30日にかけて行われた追跡調査で、有効回答数は6713人。47都道府県別にそれぞれ120-162人が回答している。
2010年10月からたばこ税の大幅な引き上げ・たばこ価格の値上げが行われた(【たばこ税の推移】)。その直前に喫煙者だった人が、値上げからほぼ1年が経過した現時点でどのような喫煙上の変化を見せているのかについて確認するのが、今回の調査の主旨。現調査母体の現況を把握しやすくするため、喫煙周りの過程も合わせて表現したのが次の表。
↑ 今調査母体における、現在の喫煙・禁煙状況(過程も含めて。上は人数、下は各区分内における比率)(再録)
今回はこのうち、禁煙に挑戦した人を対象に、成功者・失敗者それぞれの事由・手法を尋ねている。
まずは禁煙成功者に「どのような手法で成功したか」について、最大事由を聞いた結果が次のグラフ。「自分の意思のみで禁煙を成し遂げた」という人が64.2%に登っている。
↑ どのような方法で禁煙に成功したか(もっとも当てはまるもの、禁煙成功者)
次いで多いのが「禁煙外来への受診」。専門家のアドバイスや各種ツールを用い、色々と相談にのってもらいながら継続的なサポートを受けることで、禁煙への励みにもなるし、誘惑にも対抗しやすい。一方で今や本屋のレジ横でも販売されるようになった「禁煙グッズ」や、その他薬局などでも気軽に買える「禁煙補助剤」を主要因とする禁煙成功者は、少数でしか無い。
これと正反対に、禁煙失敗者が用いていたツール・手法は次の通り。項目の並びを成功者のグラフに合わせ、比較しやすいようにした。こちらは「もっとも」ではなく「当てはまるものすべて(複数回答)」であることに注意。
↑ どのような方法で禁煙に失敗したか、当てはまるものすべて(禁煙失敗者)
失敗者も最大回答理由は「自分の意思のみ」。禁煙成功も失敗も双方共「自分の意思」が重要な要素であり、禁煙者本人の意思の強弱が、そのまま禁煙の成功率を左右することが分かる(あるいは外来や各種ツールを利用するのが面倒だっただけ、という考え方もできるが)。
一方で成功事由では少数派だった「飲食物」「禁煙グッズ」「禁煙補助剤」が(複数回答形式とはいえ)それなりの回答率を得ていること、そして「禁煙グッズ」がこの3項目中では最多回答率を示しているのが確認できる。ちまたで良く見かけるようになった「禁煙グッズ」「禁煙補助剤」だが、やはり最後にモノを言うのは本人の意志であり、安易にツールに走るだけでは念願成就は難しいようだ。
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