この一年の禁煙理由、トップは「たばこ値上げ」

2011/10/05 07:11

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値上げファイザーは2011年9月27日、喫煙者の追跡調査結果を発表した。それによると2010年10月のたばこ税増税・たばこ値上げ直前に喫煙していた調査母体のうち、成否を問わず禁煙に挑戦した人において、その禁煙理由のトップには「たばこ価格の値上げ」であることが分かった。挑戦者の約3/4が値上げを理由に挙げている。次いで「自分の健康が気になって」「たばこの汚れやにおいが気になって」が続いている(【発表リリース】)。



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今調査は2010年8月から9月に行われた調査(【喫煙者の38.2%がたばこ値上げ当日の時点で禁煙に挑戦】など)の回答者、つまり2010年8月-9月の時点で喫煙者だった9400人(各都道府県男女/各100人、計200人)当人に対して再びインターネット経由で2011年8月24日から8月30日にかけて行われた追跡調査で、有効回答数は6713人。47都道府県別にそれぞれ120-162人が回答している。

2010年10月からたばこ税の大幅な引き上げ・たばこ価格の値上げが行われた(【たばこ税の推移】)。その直前に喫煙者だった人が、値上げからほぼ1年が経過した現時点でどのような喫煙上の変化を見せているのかについて確認するのが、今回の調査の主旨。現調査母体の現況を把握しやすくするため、喫煙周りの過程も合わせて表現したのが次の表。

↑ 今調査母体における、現在の喫煙・禁煙状況(過程も含めて。上は人数、下は各区分内における比率)
↑ 今調査母体における、現在の喫煙・禁煙状況(過程も含めて。上は人数、下は各区分内における比率)(再録)

今回の対象項目はこのうち、成否を問わず禁煙に挑戦した人が対象となる。

さて禁煙に挑戦をするとなると、何らかのきっかけ・理由があってのことになる。呼吸や睡眠のように無意識のうちに「禁煙」をする人は居ない(逆に「喫煙」ならありうるが)。そこで禁煙理由について主なものを3つまで挙げてもらったところ、最上位には「たばこの値上がり」がついた。

↑ 2010年10月以降、禁煙に挑戦しようと思った主な理由を3つまで(禁煙挑戦者)
↑ 2010年10月以降、禁煙に挑戦しようと思った主な理由を3つまで(禁煙挑戦者)

禁煙挑戦者の74.6%が「値上げで禁煙を決意した」と答えており、値上げが禁煙に少なからぬ影響を与えたことが改めて確認できる。もっとも「値上げ」という状況下でも禁煙に挑戦した人は全体の35.1%、禁煙成功者は全体の13.5%であることを考慮すると、「値上げ前の喫煙者全体のうち、値上げを主要因として禁煙し、1年後でもそれが継続している人は約1割(=13.5%×74.6%)でしかない」という計算もできる。値上げが禁煙にどれだけの影響を及ぼすのかを考察する際の重要な指標でもあり、同時に禁煙の難しさを再確認させる結果ともいえる。

次いで多い理由は「自分の将来の健康」。喫煙に絡む健康リスクは多種多様なものがあるとされており、発売元のJT自身も例えば「喫煙は、あなたにとって心筋梗塞の危険性を高めます」などのような文言を箱に記載し、注意をうながしている。心理上の安定や個人差による影響の有無などもあるが、将来の健康を考慮して禁煙を手掛けるのは理解できる。

第三位「たばこでの汚れや匂い」も合わせ、上位三位はすべて「喫煙者本人事由」によるもので、周辺環境の変化や、自分以外の第三者の事情を理由とする意見は少数派となっている。逆にいえば「禁煙のトリガー」となる要因は、喫煙者本人に訴えかけるものでないと有効になりにくいという解釈ができる。「結局は自分自身のことだから」ということなのだが、いわゆる副流煙のことを考えると、あながちそうだとも言い切れないのが難しいところである。


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